藝大生向け・一般の方向け

芸術環境創造論

開講日時
6/1(土),8(土), 15(土), 22(土), 29(土) 各日13:00-17:50

開講場所
一般の方 千住キャンパス 第7ホール OR オンデマンド
藝大生 千住キャンパス 第7ホール

ある日、「アート/文化事業」担当に異動になった。日々現場で孤独に1人で闘っている。事例調査やネットワーキングが必要なあなたには、まずこの授業がおすすめ。
大型の地域芸術祭から各地で話題の「アーツカウンシル」、文化事業の進め方まで、多彩なゲスト講師によるオムニバス形式のレクチャーとディスカッションで、文化芸術と社会のつなぎ手に必要とされる基礎的な理論やノウハウなどを学びます。
現場未経験者も大歓迎。本授業の地域コミュニティや多分野との連携事例紹介を通じて、アーティストの方は文化芸術の担い手たちとの協働の方法を、拠点やプログラムの運営者は社会のニーズに応じたクリエイティブな場づくりとその継続の秘訣をお持ち帰りいただければ幸いです。

なお、授業は講師の都合により内容の変更が生じたり、順序が入れ替わる可能性があります。

一般の方(対面参加) | 受講方法

定員 | 50名(先着順)
受講生募集開始|4/1(月)正午〜4/14(日)18:00
受講方法 | 全15コマの対面授業を¥50,000(税込)で受講できます。

一般の方(レクチャーコマのみのオンデマンド視聴) | 受講方法

定員 | 50名(先着順)
受講生募集開始|4/1(月)正午〜4/14(日)18:00
受講方法 | 全10コマの講義コマのみ、¥50,000(税込)でオンデマンド受講できます(対面授業実施日の翌週から7月末まで視聴可能、リアルタイム配信はありません)

【4/15追記】
オンデマンド視聴枠のみ、追加募集を実施する運びとなりました。
定員 | 若干名(先着順)
受講生募集開始|4/15(月)14:00〜4/18(木)18:00
受講方法 | 全10コマの講義コマのみ、¥50,000(税込)でオンデマンド受講できます(対面授業実施日の翌週から7月末まで視聴可能、リアルタイム配信はありません)。

※各回の対面参加に欠員が出た場合のみ、オンデマンド受講生の方に対面参加のご案内をお送りする予定です。

藝大生の方 | 受講方法
授業シラバスを参照の上、Campus Planで履修登録してください。なお、卒業要件単位に含むかどうかは、ご自身の所属する各科のカリキュラムに準じます。

2024年度ラインナップ

第1回|事業運営のいろはを知る
対面授業:6/1(土)
オンデマンド配信:6/6(木)以降順次公開
▼レクチャー「プロジェクトと拠点をつくる」大石歩真、兒玉絵美(無人駅の芸術祭事務局)
▼レクチャー「アートマーケティングでファンをつくる」佐野直哉(東京藝術大学)
▼ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第2回|他分野との連携を模索する
対面授業:6/8(土)
オンデマンド配信:6/13(木)以降順次公開
▼レクチャー「アートと社会包摂:福祉」長津結一郎(九州大学)
▼レクチャー「アートと社会包摂:多文化社会」楊淳婷(東京藝術大学)
▼ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第3回|文化芸術事業の評価に取り組む
対面授業:6/15(土)
オンデマンド配信:6/20(木)以降順次公開
▼レクチャー「文化事業の評価と活かし方」槇原彩(成蹊大学)
▼レクチャー「文化施設の評価を更新する」会田大也(YCAM)
▼ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第4回|今話題のアーツカウンシルとは何か
対面授業:6/22(土)
オンデマンド配信:6/27(木)以降順次公開
▼レクチャー「アーツカウンシルの現在:理論編」太下義之(同志社大学)
▼レクチャー「アーツカウンシルの現在:実践編」森隆一郎(合同会社渚と)
▼ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第5回|アートマネジメントをとりまく潮流を俯瞰する
対面授業:6/29(土)
オンデマンド配信:7/4(木)以降順次公開
▼レクチャー「アートマネジメントと日本と世界の文化政策を知る」吉本光宏(合同会社文化コモンズ研究所)、熊倉純子(東京藝術大学)
▼レクチャー「文化的・社会的処方とは何か」伊藤達矢(東京藝術大学)
▼ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

担当教員(登壇順)

大石 歩真(おおいし・あるま) 兒玉 絵美(こだま・えみ)

共に静岡県島田市出身。2012年に「スキだらけのまちづくり」をコンセプトに地域づくりを行うNPO法人クロスメディアしまだを設立。社会教育、情報発信、NPO中間支援、アートによる地域づくりの4つの柱にて地域づくり活動を行う。
2018年より無人駅を現代社会の象徴と捉えた地域芸術祭「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」を主催。
令和5年度静岡県文化奨励賞受賞
第25回ふるさとイベント大賞・キラリ賞受賞
令和3年度ふじのくに美しく品格ある邑・知事顕彰(抜里地区)

佐野 直哉(さの・なおや)

東京藝術大学「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」特任講師。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック大学院オルガン科修了後、映画宣伝・洋楽ライセンス業務、ブリティッシュ・カウンシルおよび駐日英国大使館にてマーケティング・コミュニケーションの現場経験を積む。その後アーツカウンシルしずおかにて多数のアートプロジェクトの伴走支援に携わった。上野学園大学音楽学部准教授を経て現職。東京藝術大学大学院博士後期課程芸術環境創造分野修了。博士(学術)。研究テーマは文化政策、アートマーケティング、文化事業評価。

長津 結一郎(ながつ・ゆういちろう)

九州大学大学院芸術工学研究院准教授
多様な関係性が生まれる芸術の場に伴走/伴奏する研究者。専門はアーツ・マネジメント、文化政策。障害のある人などの多様な背景を持つ人々の表現活動に着目した研究を行なっているほか、音楽実技やワークショップに関する教育、演劇・ダンス分野のマネジメントやプロデュースにも関わる。著書に『舞台の上の障害者:境界から生まれる表現』(九州大学出版会、2018年)、『アートマネジメントと社会包摂』(水曜社、2021年)など。

楊 淳婷(YANG Chunting)

台湾台北市生まれ。博士(学術)。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科特任助教。 自身の経験から移住や移民、社会とアートの関係性に関心を抱き、 現在は国や文化の枠組みにとどまらないインターセクショナリティに注目している。アートプロジェクト「イミグレーション・ミュージアム・東京」の企画統括(2019年度)、 東京芸術劇場によるシアター・コーディネーター養成講座《多文化共生・基礎編》の監修(2021年度)や多文化共生とアートに関するリサーチプログラムの参与観察(2022年度)などに携わった。2024年現在は「国際理解」及び「多文化共生」をテーマとした「成蹊アートプロジェクト2024」のアドヴァイザー。主な論文は「アートによる多文化の包摂 : 日本人の外国人住民に対する『寛容な意識づくり』に着目して」(2016『文化政策研究』 第10号)など。

槇原 彩(まきはら・さや)

成蹊大学文学部芸術文化行政コース客員准教授。東京藝術大学大学院音楽研究科音楽専攻音楽文化学研究領域芸術環境創造修了。博士(学術)。専門はアートマネジメントや文化政策、アートプロジェクト、音楽文化学。実践と研究を往還しながら、共創的芸術実践の可能性を模索中。主な著書は『アートプロジェクトのピアレビュー 対話と支え合いの評価手法』(共著)など。

会田 大也(あいだ・だいや)

アーティスト/ミュージアムエデュケーター
山口情報芸術センター[YCAM]、東京大学大学院特任助教、あいちトリエンナーレを経て、2019年12月より再びYCAM勤務。
専門はミュージアムエデュケーション。ワークショップの手法を応用し、組織の人材育成や地域コミュニティの形成などに携わる。
キュレーター活動:国際巡回展「MEDIA/ART KITCHEN」、「あいちトリエンナーレ2019」等。作家活動:「瀬戸内国際芸術祭2019」、「みるこころみるかえりみる」展、など。

太下 義之(おおした・よしゆき)

文化政策研究者、博士(芸術学)。同志社大学教授。文化経済学会<日本>理事、文化政策学会理事、デジタルアーカイブ学会理事。公益社団法人全国公立文化施設協会アドバイザー。愛知県県民文化局アドバイザー、静岡県文化政策審議会委員、アーツカウンシルしずおかカウンシルボード議長。鶴岡市食文化創造都市アドバイザー、はちのへ文化のまちづくりアドバイザリーボード会議委員長。練馬区文化振興協会・文化政策アドバイザーなど文化政策関連の委員を多数兼務。2023年文化庁長官表彰。単著『アーツカウンシル』(水曜社)。

森 隆一郎(もり・りゅういちろう)

これまで東京都江東区や福島県いわき市で文化施設の新たなあり方を実践、アーツカウンシル東京でPRディレクターを務め、2018年に独立。現在は、アートと社会の間に新しい関係性を育むことを目指す「合同会社渚と」代表社員。ほかに東京藝術大学のプロジェクトや銀座ヴィジョン会議、文化コモンズ研究所などで多様な活動を進める。2022年10月よりアーツカウンシルさいたまプログラムディレクター。共著に「文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと」水曜社

吉本 光宏(よしもと・みつひろ)

1958年徳島県生。早稲田大学大学院修了(都市計画)後、社会工学研究所、ニッセイ基礎研究所(研究理事)などを経て2023年6月文化コモンズ研究所代表・研究統括、長野県文化振興事業団理事長に就任。東京オペラシティ、国立新美術館等の文化施設開発、東京国際フォーラムのアート計画などのコンサルタントとして活躍する他、文化政策、文化施設の運営・評価、創造都市等の調査研究に取り組む。文化審議会委員、東京芸術文化評議会評議員、(公社)企業メセナ協議会理事などを歴任。著作に「再考、文化政策(ニッセイ基礎研所報)」「アート戦略都市(監修、鹿島出版会)」など。

©Jouji Suzuki

熊倉 純子(くまくら・すみこ)

パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了(美学・美術史)。(社)企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」(茨城県)、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」(東京都)など、地域型アートプロジェクトに学生たちと携わりながら、アートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』『アートプロジェクトのピアレビュー—対話と支え合いの評価手法』『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし—絵物語・声・評価でひもとく 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』、共編書に『社会とアートのえんむすび1996-2000──つなぎ手たちの実践』、共著に『「地元」の文化力―地域の未来のつくりかた』など。

伊藤 達矢(いとう・たつや)

東京藝術大学社会連携センター 教授
1975年生まれ。東京藝術大学大学院芸術学美術教育後期博士課程修了(博士号取得) 東京都美術館と東京藝術大学が連携し、アートを介してコミュニティーをつくる「とびらプロジェクト」など、多様な芸術文化プログラムの企画立案に携わる。現在、東京藝術大学が中核となる産学官民の連携事業「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」ではプロジェクトリーダーを担い、「望まない孤独や孤立」の解決に向けた取り組みを展開している。共著に『ケアとアートの教室』(左右舎)など。