東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」 リサーチ・プログラム 第2回 「インディペンデント・キュレーターとして、ジェンダー課題と対峙する」

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東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト
「アートとジェンダー研究会」
リサーチ・プログラム

第2回
「インディペンデント・キュレーターとして、ジェンダー課題と対峙する」

日時:2023年11月17日(金)
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
ゲスト:天田万里奈(インディペンデント・キュレーター / AWAREアンバサダー)

「アートとジェンダー研究会」では、ゲストによる連続レクチャーシリーズと並走して、有志のリサーチチームによる活動が行われました。チームの顔合わせ後初となる活動日には、インディペンデント・キュレーターとして独自の視点から活動を行ってきた天田万里奈氏をゲストとして招き、特別レクチャーを開催しました。

天田氏は日本と国外を行き来する生活が長く、マイノリティ性を感じる機会が多かったことで、社会的な活動やアクティビスト的な生き方に関心を持ったと言います。
海外生活を経て2019年に帰国した天田氏は、日本最大規模の国際写真祭にてメイン・プログラムの一部のキュレーションを担当しました。その際、招聘されている女性アーティストが自身が担当するアーティスト1人しかいなかったことから、日本においてまだまだ女性アーティストの表現の場が限られている事に気が付いたのだそうです。それから4年経った今も、日本の美術館での女性作家の個展開催は全体の15%に過ぎません。*1 また、過去10年間(2008年−2019年)におけるオークションの売上高を見ると、男性アーティストが98%を占めており、女性アーティストはわずか2%でした。*2 美術作品を「アーティスト個人のアイデンティティや体験に深く結びついている」と捉える天田氏は、「多様なアイデンティティや体験と結びついた作品が可視化されることで、お互いに対しての想像力や生きやすさにつながるのではないか」と考え、女性アーティストの活動をサポートする非営利活動法人〈Spectrum〉を立ち上げました。
〈Spectrum〉は、日本人女性アーティストの作品を海外美術館のコレクション支援と、より多様なアクターと作品が関わる場の創出という2つの方針を立ててプロジェクトを展開しています。天田氏は代表的なプロジェクトとして、写真家のマリー・リースによるポートレートシリーズとのコラボレーションを挙げました。マリー・リースは、ドミニク・アングルによるキャロライン・リベラの肖像画をコンステレーションとしながら、フランスの貧困地域にあるラグビーチームの少女たちのポートレートを制作しています。天田氏は、エシカルファッションブランドの「CLOUDY」と協働し、ポートレートの展示を若い世代が集まるパブリックスペースで開催する予定だといいます。天田氏は、「アート業界だけではなく、ファッションやスポーツの現場の人々と共に、アートを通して社会課題について能動的に考えアクションを起こす場を作りたい」と述べました。

〈AWARE〉公式ウェブサイトのトップページ
天田氏のレクチャーの様子

そのほかにも天田氏は他団体との連携も積極的に行っています。2023年からは、パリを拠点に女性アーティストへのサポートを行う団体〈AWARE(Archives of Women Artists Research & Exhibitions)〉のアンバサダーを担っています。〈AWARE〉は、過去の女性アーティストに関する研究を行い、そのアーカイブを構築しているほか、女性アーティストを対象にしたアワードを実施しています。ウェブ上でリサーチの成果を公開していることも大きな特徴の一つで、天田氏は今後、日本語版のページの作成を推進していくそうです。
これらの活動を紹介した上で、最後に天田氏は、〈Spectrum〉や〈AWARE〉での実践を通して、日本の芸術表現のフィールドをよりオープンにしていきたいとその展望を語りました。

(レポート:若山萌恵)

〈関連資料〉
*1表現の現場調査団「ジェンダーバランス白書2022」, 2022年8月24日
https://www.hyogen-genba.com/gender

*2 ArtNet “Female Artists Represent Just 2 Percent of the Market. Here’s Why—and How That Can Change”, 2023-9-19
https://news.artnet.com/womens-place-in-the-art-world/female-artists-represent-just-2-percent-market-heres-can-change-1654954

天田万里奈 公式ウェブサイト https://www.marinaamada.com/
〈AWARE〉公式ウェブサイト https://awarewomenartists.com/

2024-05-22T00:26:49+09:002024/05/13|

東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」 レクチャー・シリーズ 第5回 「子育てとフリーランス・キュレーターをめぐる問題について」

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第5回
「子育てとフリーランス・キュレーターをめぐる問題について」

日時:2023年12月15日(金)
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
講師:難波祐子(東京藝術大学キュレーション教育研究センター・特任准教授)

本研究会では、「アートとジェンダー」というテーマについて多角的な視点から議論することを目指し、様々な分野の専門家によるレクチャーを全5回にわたって行いました。最終回の講師は、当センターの特任准教授である難波祐子が務めました。子育てをしながらフリーランスキュレーターとして活動をしてきた経験から見えてきた地平について語りました。

難波はまず、一般的なキュレーターのキャリアパスについて言及しました。大まかに言えば、日本で活動するキュレーターは、美術館に所属する美術館学芸員と、フリーランスで働くキュレーターに二分されます。日本では年間1万人が学芸員資格を取得していると言われているが、募集されるポジションは限られているため、全員が美術館に就職できるわけではありません。難波によれば、一般的には35歳までに学芸員として就職しなければ、その後のキャリアを築くことが難しくなる傾向にあると言います。
学芸員のジェンダーバランスに目を移すと、80年代以前は、圧倒的に男性が多かったのだそうです。90年代になると、留学する学生が増えたことと、プロジェクト型のアートが増加し、求められる学芸員像が変化したことなどから、徐々に女性の学芸員が増えていきました。ただし、同時に指定管理者制度の導入を背景に、契約職員という不安定な雇用形態が増加したため、これが女性に割り当てられた側面もあります。2000年代に入ると、女性館長の登場も顕著にみられるようになってきます。難波は、現在は女性の管理職も珍しくなくなってきており、託児室付きの美術館が登場したり、男性学芸員の育休取得なども推奨され、徐々に女性も働きやすい環境に変わってきているのではないかと考察しました。

難波によるレクチャーの様子

上記のような事情を背景としつつ、難波は自身のキャリアを振り返りました。ロンドンの大学で社会人類学を学んでいた難波は、帰国後に科目等履修制度と文部科学省の学芸員資格認定試験制度を利用し、学芸員資格を取得しました。その後は日本と海外を行き来しつつ、時にはフリーランスで、時には美術館等の組織に所属して仕事を行ってきました。子育てをしながらキュレーターとして活動するためには、子どもの成長段階に合わせてキャリアパスを調整する必要があり、苦労したと語りました。
また、子育てをしながら行ったキュレーションの経験を振り返りました。子どもを連れての初めての仕事は、バンコクのジム・トンプソン・アートセンターでのキュレーションだったと言います。子どもが2歳の時、シリン・ネシャットの展覧会で映像作品に釘付けになり、展覧会カタログをお気に入りの絵本とともにしまう姿を見て、自身の考えていた「子ども向け」のイメージが崩されるような衝撃を受けたのだそうです。難波は、この経験をきっかけに乳幼児・未就学児のための鑑賞教育についてリサーチを始めました。

子どもを連れてのキュレーションの経験を振り返る難波

難波がリサーチをもとに企画したのが、東京都現代美術館で開催された展覧会「こどものにわ」です。「こどものにわ」では、乳幼児の発達段階に配慮したり、親子で参加・鑑賞できる作品を展開したほか、子連れの親子が来場しやすい環境づくりや、保護者にリーチする広報に取り組んだそうです。こうして作った展覧会が開場すると、親子の他にも、車いすユーザーや、知的に障害のある方にとっても参加しやすい場になっていることが分かりました。
こうしたキュレーションの経験を通して、難波は、子どもや障害者、アーティストの世界は近しい関係にあるのではないかと考えるようになったといいます。現代アートには、既存の社会の規範からはみ出した人たちを受け入れ、取り込んでいく力があると再認識したと語りました。
難波の語りからは、子育てと仕事を両立するロールモデルがない中で、キュレーターとしての働き方を切り開いていく姿が垣間見えました。子育てと仕事に奔走しつつ、子どもへの眼差しを自身に折り返しながらキュレーションに落とし込む手つきを窺うことができました。

(レポート:若山萌恵)

〈関連資料〉
東京都現代美術館「こどものにわ」https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/114/

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東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」 レクチャー・シリーズ 第4回 「女性演奏家をめぐる労働環境について」

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第4回
「女性演奏家をめぐる労働環境について」

日時:2023年12月8日(金)
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
講師:箕口一美(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 教授)、若山萌恵(国際芸術創造研究科 修士課程在籍)

本研究会では、「アートとジェンダー」というテーマについて多角的な視点から議論することを目指し、様々な分野の専門家によるレクチャーを全5回にわたって行いました。第四回目のレクチャーでは、クラシック音楽業界における女性演奏家をめぐる労働環境をテーマにとりあげました。講師は国際芸術創造研究科教授の箕口一美と、アシスタントとしてリサーチを行った若山萌恵が務めました。

レクチャーの冒頭では、箕口が今回レクチャーを担当することになった経緯に触れ、自身のキャリアについて振り返りました。箕口は、カザルスホールのアソシエイトディレクターや第一生命ホールを運営するトリトンアースネットワークのディレクター、サントリーホールのグローバルプロジェクトコーディネーターなどを歴任し、クラシック音楽の制作現場に長年勤めてきました。しかし、箕口がキャリアを歩み始めた当初は、業界の間口が開かれているとは言い難い状況があったといいます。
箕口によるレクチャーに移る前に、クラシック音楽業界のジェンダーバランスをめぐる問題や取り組みについて、若山がプレゼンテーションを行いました。若山は、「表現の現場調査団」によって作成された「ジェンダーバランス白書2022」を参考に、音楽大学の学生やオーケストラの弦楽器奏者は女性が多いにも関わらず、教授職や常任指揮者、音楽監督などの上位の役職は、ほぼ男性に占められているというジェンダーバランスの偏りを指摘しました。また、こうした状況を打破しようとする草の根の活動も立ち上がりつつあるものの、当事者間で連帯していこうとする流れを作りにくい状況があるのではないかと考察しました。

若山による報告の様子

若山からの報告を受け、箕口は宝塚歌劇団での死亡事件の報道を事例に、部外者が立ち入りにくい排他的な環境はクラシック音楽業界にも共通していると指摘しました。
続いて箕口は、クラシック音楽の演奏家が築くコミュニティを、「バブル」という比喩を用いて表しました。箕口によれば、「バブル」とは、価値観や生活基盤を同一にしているコミュニティを指します。あるオーケストラ団員達が街頭でインタビューを受け、インタビュアーに一般の人々とは異なる価値観を持っているように感じると指摘された際、 “… because we’re living in a bubble.”と発言している映像を見て、腑に落ちたのだと言います。
クラシック音楽の演奏家は、幼いころから師弟関係や門下の人々と「バブル」を形成し、その中で生活を送ります。そこで激しい競争が行われることで外部とは共有の難しい独自の価値観が形成されていくため、演奏家はますます「バブル」の中に引きこもってしまいます。こうして形成された「バブル」の厚い膜が業界内と外を隔て、風通しの悪さにつながっているのではないかと述べました。

箕口によるプレゼンテーションの様子

最後に箕口は、「バブル」を硬化させないために、アートを過剰に特権的に扱わないこと、専門性の有無に関わらず、誰もが語ってよいものだという空気を作ることが必要ではないかと述べました。専門家は、異なる考えを持つ人々の意見を論破しようとしないことが、非専門家は「アートはよく分からない」と線を引いて構えず、「分からないけれど関心がある」とポジティブに言い換えていく姿勢が、重要なのではないかと投げかけました。

2024-05-22T00:27:05+09:002024/05/13|

東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」 レクチャー・シリーズ 第3回 「女性であることとつくることについて」

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第3回
「女性であることとつくることについて」

日時:2023年12月1日(金) 18:00~19:30
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
講師:碓井ゆい(アーティスト)

本研究会では、「アートとジェンダー」というテーマについて多角的な視点から議論することを目指し、様々な分野の専門家によるレクチャーを全5回にわたって行いました。第三回目のレクチャーには、アーティストの碓井ゆい氏をゲストとして迎えました。

碓井氏は、手芸的な手法を表現に用い、社会的に弱い立場にあった女性たちの歴史や生殖医療など、女性というジェンダーに関連のある題材で作品を制作してきました。一般的に、手芸は女性的なイメージと結びつけられやすいといいます。碓井氏は大学在籍中から手芸的な手法を用いていましたが、当時は「自分が女性であることを引き受けなければいけないのか」と悩み、あえてジェンダーに関する関心を開示することを避けていたと明かしました。
碓井氏が積極的に手芸を表現の中に組み込むようになったきっかけは、視覚文化とジェンダーの研究者である山崎朋子による『近代日本の「手芸」とジェンダー』を読んだことだったと語りました。手芸が女性的で工芸より劣るという社会的な認識は、自分の感覚によるものではなく、社会的に構築されてきたものなのだと気づいたそうです。
その後は、日本各地のアートプロジェクトや芸術祭を通して、その土地の女性たちの歴史をリサーチしたり、現在の手芸や編み物をしている女性たちと交流しながら制作を行っています。直近では、墨田区で展開されているアートプロジェクトの企画の一環で、セツルメント運動の拠点として機能した歴史を持つ福祉施設「興望館」について、リサーチと展示を行うプロジェクトを実施しました。展示会場では、「興望館」の初期の資料写真を元にした刺繍を関係者とともに共同制作し、パッチワーク作品に仕立てたほか、架空の職員の視点で当時の社会を見つめる日記風の手記を制作し展示しました。

碓井氏のレクチャーの様子

受講生との質疑応答では、美術業界において女性アーティストに向けられる視線や、手芸という手法に関する質問が多く聞かれました。碓井氏の回答からは、手芸とアートの境界やフェミニストに向けられる視線に苦慮しながらも、手芸を手がかりにジェンダー化された現象を掘り起こし丁寧に作品に落とし込んでゆく姿勢を窺うことができました。

(レポート:若山萌恵)

〈関連資料〉
山崎朋子(2005)『近代日本の「手芸」とジェンダー』世織書房。
ファンタジア!ファンタジア!公式ウェブサイト
「【プラクティス】『共に在るところから / With People, Not For People』開催」https://fantasiafantasia.jp/archives/454

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東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」 レクチャー・シリーズ 第2回 「『盛り』の誕生:女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識」

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第2回
「『盛り』の誕生:女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識」

日時:2023年11月24日(金) 18:00~19:30
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
講師:久保友香(メディア環境学者)

本研究会では、「アートとジェンダー」というテーマについて多角的な視点から議論することを目指し、様々な分野の専門家によるレクチャーを全5回にわたって行いました。第二回目のゲストは、メディア環境学者の久保友香氏です。

コミュニケーション技術をテーマに研究を行ってきた久保氏は、技術が必ずしも技術者の発想ではなく、市井の人々の発想や行動から生まれることに関心を持ってきたといいます。特に、日本の女の子たちの絵文字や自撮りといった文化が独自の価値観や指標を形作り、技術者がそれを掬い取って新たな技術を開発していくという流れが、研究の動機の一つにもなったそうです。
大学院で研究していた頃、久保氏は美人画における顔の画像処理についての研究を行っていました。描かれた顔に特徴点を打ち、実際の人の顔の特徴点とのズレを計測することで、美人画の時代ごとの幾何学的特徴を分析されたそうです。その後は雑誌に着目をし、現代のギャルたちの目指す顔に独自の価値基準があるのではないかと考察した久保氏は、ギャルたちの「盛り」の美意識に研究の関心を移していきました。
注目度の高い雑誌に取り上げられたギャルたちや、彼女らが自分の顔を写すために使用していたプリクラの開発者が持っているであろう、独特の美意識を探るべく、久保氏はフィールドワークに奔走しました。レクチャーの最後に、久保氏は、美意識は時代ごとのスタイルとそれを写す技術との往還の中で醸成されていると指摘し、感性と理論を結び付ける役割を果たしていきたいと語りました。

久保氏のレクチャーの様子

久保氏のレクチャーを受け、受講生からは「『盛り』の文化は女性が中心であるように見受けられたが、男女で差があるものと思うか」と質問があがりました。久保氏は、「『盛り』は、構造的に車やプラモデルのカスタマイズに近い。性差というより、素材として身体を選ぶか、他の物を選ぶのかという違いなのではないかと思う」と回答しました。また、写真を共有するツールとして、インスタグラムも話題に上がりました。作り上げた姿を写真によって瞬間的に切り取るだけではなく、生活の中の姿を継続的に撮り貯められるようになったことで、写したいイメージが変化したのではないか、という見方が示されました。瞬間的な美から長期的な充足という、生活のウェルビーイングの感覚の変化につながっているのではないかという意見も出ました。

(レポート:若山萌恵)

〈関連資料〉
久保友香(2019)『盛り」の誕生:女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』太田出版。

2024-05-22T00:26:53+09:002024/05/13|

東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト 「アートとジェンダー研究会」レクチャー・シリーズ 第1回 「アートとジェンダー —過去・現在・未来—」

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レクチャー・シリーズ

第1回
アートとジェンダー —過去・現在・未来—

日時:2023年10月27日(金) 18:00~19:30
場所:東京藝術大学 上野校地 国際交流棟4階 GA講義室
講師:清水知子(東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 准教授)

東京藝術大学(以下、本学/藝大)とみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)は、2023年度に包括連携協定を締結し、様々な連携事業に取り組んでいます。キュレーション教育研究センターでは、「アートとジェンダー」をテーマに、藝大学内者とみずほFG社員に向けたレクチャーシリーズと、学内有志によるリサーチプログラムを実施する運びとなりました。本レポートでは、全5回にわたり企画されたレクチャーシリーズの第1回目の様子について紹介します。

まず、「アートとジェンダー研究会」の始動に際して、副センター長の熊倉純子とみずほFGの河合理恵氏より挨拶がありました。熊倉副センター長は、芸術に関する業界を「多くの支え手を必要とする一方で、才能や権威のある一部の人々の意思で動いていく、マスキュリンな側面のある業界」と評し、ジェンダーバランスに顕著な偏りがある本学で苦労している学生・教職員は多いだろうと述べました。その上で、「本研究会では、これまで聞かれる機会のなかった学内の生の声を拾い上げ、現状を変えるきっかけとしたい」と期待を寄せました。河合氏は、「みずほFGと藝大とが共に活動することで互いにインスピレーションを得て、シナジーが生まれる関係性を築くことで、社会に新しい価値を生み出していきたい」と語りました。

みずほFGの河合理恵氏

初回のレクチャーには、本学国際芸術創造研究科の准教授で、文化理論を専門とし、ジェンダー論の講義を担当する清水知子をゲストに迎えました。清水准教授は、学部1年生から教職員にわたる幅広い層の受講生が共に議論できるような足がかりとなるよう、フェミニズムと美術史におけるジェンダーの問題について、基礎的な知識を中心に講義を展開しました。まず、フェミニスト美術史家であるリンダ・ノックリンによる論文「なぜ女性の偉大な芸術家は現れなかったのか?」を紹介し、西洋美術史や美的価値が、白人男性作家を中心として構築されてきたことを指摘しました。また孤高の天才芸術家をめぐる神話がいかに不可視化された多くの支えとネットワークから成り立ってきたのか、そしてケアをはじめとする労働がいかにジェンダー化されてきたのかについて論じました。その上で、既存の歴史から零れ落ちてしまった要素を単に付け足していくのではなく、根本的な構造を問い直し、直線的ではない新たな形で歴史の姿を描き出していく試みが、今を生きる我々と歴史の豊かな出会い直しにつながるのではないかと主張しました。

清水准教授によるレクチャーの様子

レクチャー後には、受講生がいくつかのグループに分かれ、ジェンダーへの関心の持ちようや普段の生活の中で感じる違和感についてディスカッションを行いました。受講生からは、アーティストとして活動する人をケアするのは誰なのかを考えたという感想や、藝大のジェンダーバランスと就職率には関連があるのではないかといった意見が交わされました。ディスカッションが終了した後も、教室に残って話を続ける受講生の姿が見られ、熱気に満ちた雰囲気でした。

2024-06-05T20:30:57+09:002024/05/13|

東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト「アートとジェンダー研究会」 レクチャーシリーズ&リサーチプログラム

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東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト
「アートとジェンダー研究会」

レクチャーシリーズ&リサーチプログラム

東京藝術大学(以下、藝大)とみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)は、2022年より「経済だけでなく、アートの力で文化や社会・人びとの生活も豊かで彩ある未来」をともに目指して、様々な連携を深めてきました。その連携をさらに強固にし、かつ持続したものにするため、2023年に包括連携協定を締結しました。

キュレーション教育研究センターでは、藝大×みずほFGの連携事業の一環として、「アートとジェンダー」をテーマにした様々なプロジェクトを展開しています。2023年度は、「アートの現場における女性の社会進出」をテーマに多彩なゲストを迎えて、それぞれの切り口からアートとジェンダーの関係についてのレクチャーを行いました。レクチャー後のディスカッションでは、年代・所属を超えた共通点も見つかったようです。

研究会参加者数(累計):94名

第1回 | 10/27(金)
アートとジェンダー —過去・現在・未来ー

ゲスト:清水知子(東京藝術大学国際芸術創造研究科・准教授)

愛知県生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授。専門は文化理論・メディア文化論。著書に『文化と暴力──揺曳するユニオンジャック』(月曜社、2013年)、『ディズニーと動物──王国の魔法をとく』(筑摩選書、2021年)ほか。共訳書にジュディス・バトラー『非暴力の力』(青土社、2022年)、同、『アセンブリ──行為遂行性・複数性・政治』(青土社、2018年)、ディヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』(明石書店、2004年)ほか。

第2回 | 11/24(金)
「盛り」の誕生:女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識

ゲスト:久保友香(メディア環境学者)

1978年、東京都生まれ。2000年、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業。2006年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。専門はメディア環境学。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など経て、独立。著書に『「盛り」の誕生ー女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識ー』(太田出版、2019年)。

第3回 | 12/1(金)
女性であることとつくることについて

ゲスト:碓井ゆい(アーティスト)

アーティスト。1980年東京都出身、埼玉県在住。
身の回りの素材や手芸の技法を用い、社会制度や歴史についての批評や考察を平面・立体作品で表現する。
近年の主な展覧会に「ケアリング/マザーフッド:「母」から「他者」のケアを考える現代美術」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2023年)、「JAPAN.BODY_PERFORM_LIVE Resistance and Resilience in Japanese Contemporary Art」(Padiglione d’Arte Contemporanea、2022年)などがある。

第4回 | 12/8(金)
女性演奏家をめぐる労働環境について

ゲスト:箕口一美(東京藝術大学国際芸術創造研究科・准教授)

1960年生まれ。87年6月よりカザルスホール企画室・アウフタクトで企画制作にたずさわり、2000年3月まで同ホールプロデューサー。98年より財団法人地域創造『公共ホール音楽活性化事業』にコーディネーターとして参画、地域での芸術普及のさまざまな可能性を、各地のホール担当者、若手演奏家とともに考えて来た。

2001~08年NPOトリトン・アーツ・ネットワークディレクター。08~16年サントリーホール・プログラミングディレクターおよびグローバルプロジェクト・コーディネーター。現在、東京芸術大学大学院国際芸術創造研究科教授。学生や若い研究者たちと、音楽ワークショップ・ファシリテーション開発に取り組んでいる。

ファシリテーター:酒井雅代(東京藝術大学キュレーション教育研究センター・コーディネーター)、若山萌恵(東京藝術大学国際芸術創造研究科)

第5回 | 12/15(金)
子育てとフリーランス・キュレーターをめぐる問題について

ゲスト:難波祐子(東京藝術大学キュレーション教育研究センター・特任准教授)

東京都現代美術館学芸員、国際交流基金文化事業部企画役(美術担当)を経て、国内外で現代美術の展覧会企画に関わる。 企画した主な展覧会に「こどものにわ」(東京都現代美術館、2010年)、「坂本龍一:观音听时 | Ryuichi Sakamoto: seeing sound, hearing time」(M WOODS HUTONG | 木木艺术社区、北京、2021年)、「大巻伸嗣 – 地平線のゆくえ」(弘前れんが倉庫美術館、青森、2023年)など。

リサーチプログラム

上記レクチャーシリーズと連動し、藝大の学生・教職員+みずほFG社員有志によるチームが、アートの実践の場におけるジェンダーを取り巻く諸問題について、リサーチを実施しました。

参加リサーチメンバー:6名

インディペンデント・キュレーターとして独自の視点から活動を行ってきた天田万里奈氏をゲストとして招いた、特別レクチャーのレポートはこちら

2024-05-22T00:27:19+09:002024/05/13|

東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト  千住 Art Path 2023 特別企画《「地域・こども・アート」をかんがえる1日》

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「アートとジェンダー研究会」

千住 Art Path 2023 特別企画
《「地域・こども・アート」をかんがえる1日》

みずほフィナンシャルグループと本学が2023年に締結した包括連携協定をきっかけに、キュレーション教育研究センターでは、特にアートの実践の場におけるジェンダーを取り巻く諸問題をテーマにした研究活動を続けています。
この「アートとジェンダー」に関連する、こどもと貧困の問題をテーマに、2023年12月16日(土)には《「地域・こども・アート」をかんがえる1日》と題した特別企画を実施しました。

当日は、ゲストを迎えたシンポジウムを軸に、熊倉研究室所属の学生たちによる参加型のアートワークショップと、ケーススタディ発表という3つのプログラムを展開しました。藝大千住キャンパスのある足立区でも喫緊の課題となっている、こどもをめぐるさまざまな問題。アートマネジメントという視点から「地域・こども・アート」の新たな組み合わせの可能性を提案する場となっただけでなく、日々実践を重ねる来場者のみなさんから、現場の声を伺う貴重な機会となりました。

※なお、このイベントは、音楽環境創造科の進級展「千住 Art Path 2023」の一環で実施されました。

①シンポジウム「こども食堂と芸術」

写真:冨田了平

■開催概要
日時:12/16(土) 14:00〜15:30(開場:13:30)
会場:東京藝術大学千住キャンパス 3F スタジオA
来場者数:84名(事前予約優先、先着順)
出演:湯浅誠(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)、大澤寅雄(合同会社文化コモンズ研究所 代表/文化生態観察)、熊倉純子(本学音楽環境創造科 / 大学院国際芸術創造研究科 教授)、熊倉研究室所属学生ほか

■来場者の声(一部抜粋)
居場所としての機能は気付きでした。食だけではない、アイデンティティの立ち上がりにも必要な場になりえると思いました。これにはアートがあると良いと私も思います。
アーティストとお金、ボランティアを期待しがちな日本の気質を何とか変わるといいですね。金融機関にいる人間として、お金がきちんと回る仕組みを考えたいです。
(神奈川県/50代/女性/会社員)

引きこもりの若者が集う”居場所”でボランティア活動をしています。アーティストを呼んでWSを企画しても、いつも同じメンバー、人が集まらない、ドタキャン。果たして意味があるのか?と悩んでいました。ただ、参加してくれた若者には好評で「場をかき回す」アートの力を借りて、今後もより良い設計を考えたいと思いました。
又、「見守る力」の大切さ、ただ見てるだけってすごい!というお話に、ただ居るだけの自分に勇気をもらいました。
(足立区/50代/主婦・主夫)

出演者プロフィール

湯浅誠

社会活動家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授。経済同友会会員。認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。
1969年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。1990年代よりホームレス支援に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長など。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。
こども家庭庁「こども家庭審議会こどもの居場所部会」委員。
著書に、『つながり続ける こども食堂 』(中央公論社、2021年)、『子どもが増えた! 人口増・税収増の自治体経営』(泉房穂氏との共著、光文社新書、2019年)、『「なんとかする」子どもの貧困』(角川新書、2017年)、『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日新聞出版、2012年)、『反貧困』(岩波新書、2008年、第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)など多数。

大澤寅雄

合同会社文化コモンズ研究所代表、NPO法人アートNPOリンク理事長、NPO法人子ども文化地域コーディネーター協会専務理事、日本文化政策学会理事、九州大学社会包摂デザイン・イニシアチブのアドバイザー、堺アーツカウンシル プログラム・オフィサー。1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社シアターワークショップにて公共ホール・劇場の管理運営計画や開館準備業務に携わる。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」運営委員、株式会社ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室主任研究員を経て現職。共著=『これからのアートマネジメント”ソーシャル・シェア”への道』『文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと』『文化政策の現在3 文化政策の展望』『ソーシャルアートラボ 地域と社会をひらく』。

②キッズ向け!参加型アートワークショップ《Xenolith ゼノリス》

日時:12/16(土) 10:00〜18:00、12/17(日) 10:00〜17:30 千住 Art Path 2023 会期中常設
会場:千住キャンパス 1F 倉庫2

足立区内の小学校でもアウトリーチプログラムを実施したクロエ・パレ(アーティスト/本学GA博士課程在籍)による、インスタレーション作品が千住キャンパスに2日間限定で出現!当日は熊倉研究室の学生たちのアテンドで、千住 Art Path 2023 に来場したキッズが見事に作品とその空間を変容させました。

写真:冨田了平

③ケーススタディ発表

写真:冨田了平

ケース①「ムジタンツ」〜アートで考えるこどもと地域〜

日時:12/16(土) 16:00〜16:45
会場:千住キャンパス 1F プロジェクトルーム2「アクセスポイントくまけん」
参加者:約20名

「ムジタンツ」は、発起人である酒井と山崎が互いの専門性を持ち寄りながら、音楽と身体表現を融合させて開発しているプログラムです。本企画では「さまざまな家庭環境におかれているこどもたちの社会参加」という課題にアプローチすべく実施した「アートなお祭り」の事例を紹介しました。

発表者:酒井雅代(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科博士課程)、山崎朋(東京藝術大学キュレーション教育研究センター 非常勤講師)

ケース②「イミグレーション・ミュージアム・東京」〜多文化社会に暮らすこどもたち~

日時:12/16(土) 17:00〜17:30
会場:千住キャンパス 1F プロジェクトルーム2「アクセスポイントくまけん」
参加者:18名

イミグレーション・ミュージアム・東京(通称:IMM)は、国内に暮らす海外ルーツの人々の日本での日常生活に焦点をあてたアートプロジェクトです。2021年度から東京都足立区内の小学校と連携し、海外ルーツのアーティストとともにアート・エデュケーションプログラムを実施しています。参加アーティストの作品を展示するとともに、企画担当者が実際に行った取り組みについて詳しくご紹介します。

発表者:韓河羅(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科博士課程)、神道朝子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修士1年)、寺山穂(東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科2年)

2024-05-22T00:26:44+09:002024/05/13|

さいたま文化発信プロジェクト アーツカウンシルさいたま×東京藝術大学キュレーション教育研究センター 「空想するさいたま」

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さいたま文化発信プロジェクト
アーツカウンシルさいたま×東京藝術大学キュレーション教育研究センター

「空想するさいたま」

「空想するさいたま」は、アーツカウンシルさいたまと東京藝術大学キュレーション教育研究センターが共同で実施したデジタル作品プラン/キュレーションプランの公募プログラムです。

参加者29名のうち、14名からプラン13件が最終提出され、2024年3月の最終プラン発表会・選考会では【A】デジタルコンテンツ制作プラン/【B】デジタルコンテンツキュレーション(展示・発表)プランの各部門第1位・第2位が決定しました。

2024年度以降は、採択された4プランの実現に向けて、アーツカウンシルさいたまが伴奏支援してまいります。

※本取り組みは、アーツカウンシルさいたまの事業のひとつである「さいたま文化発信プロジェクト」として、さいたま市の持つ「盆栽・漫画・人形・鉄道」という4つの地域に根ざした文化芸術に関する資源を広く若手のクリエイターやキュレーターと共に考えていくために東京藝術大学と連携して実施されました。

採択プランご紹介

【A】デジタルコンテンツ制作プラン

第1位:徐秋成「夢をみる、さいたま(仮)」

〜コンセプト文〜
生活都市、ベッドタウンにおいて、最も重要なのは睡眠であること。
人間が睡眠のなかで夢を見てる時が一番自由が感じられると言われ、日常からかけ離れた大胆かつ不思議なイメージが溢れ出す。それは現実だけではなく、歴史や記憶、民話から影響を受けている。
本作は睡眠の深さによって、4段階に分けられる。それぞれの段階とさいたまを代表とする盆栽、人形、漫画、鉄道を結びつけ、夢のなかにしかない面白さや大胆さを表現する。

〜選考委員によるコメント(一部抜粋)〜
(岡本美津子)先生たちも非常に評価されていました。いま、ベネチア映画祭等色々な映画祭がVRコンテンツに手をつけ始めており、ドキュメンタリーやドラマ等が非常に多い中、さいたまの白昼夢を見させられる、というさいたまでしか作れない、世界でここしかない、非常にユニークなオリジナリティ溢れるコンテンツを考えられて、非常に面白かったと思います。睡眠と夢と、4要素(鉄道、盆栽、漫画、人形)をまるでマジックのように結びつけている、というのも非常に面白かったと思います。

(谷口暁彦)企画書等も前日見ていましたが、ベッドタウンをポジティブに捉え直すと、本当に電車がある種の睡眠装置みたいなものなのだと気付かされるプランだったと思います。本当に実現したら、すごく面白い作品になるのではないかなと思いますので、期待しています。

第2位:Zvolinsky Leonid「オーディオビジュアル作品 “Sleeping Memory” −盆栽の知覚を通してさいたまの都市の記憶を人々に伝える−」

〜コンセプト文〜
本作品は「盆栽の知覚を通してさいたまの都市の記憶を人々に伝える」をテーマに、植物が互いに信号を伝え合うという埼玉大学の最近の研究にヒントを得て、植物と人間とのコミュニケーションに置き換えて芸術的に表現しようとするものです。さいたまの人々と強く長いつながりと歴史を持つ盆栽に眠る記憶をイメージしMax(※1)とTouchDesigner(※2)でオーディオヴィジュアル作品を制作します。作品にはさいたま市のサウンドスケープを録音し作中に使用するほか、さいたま市の実際の盆栽を使って3Dモデル化をします。また、美術館内にVRルームを作り、鑑賞者が盆栽の中に入れるイマーシブアートを想定しています。

※1:Max (Max/MSP/Jitter)はグラフィカルなインターフェースを備えたプログラム開発環境である。本来(コンピューター)音楽の作曲のために開発されたものだが、その扱いやすさからリアルタイムによる音響合成、パフォーマンスのためのインタラクティブ・システムなどに用いられるようになった。さらにマルチメディア、映像、インターネットなどを用いたメディア・アート作品にも広く用いられている。出典元:Maxサマースクール2024公式HP(https://maxsummer2024.geidai.ac.jp/)
※2:ビジュアルプログラミング言語の一つで、メディアアートの制作時に使用されることの多いソフト。

〜選考委員によるコメント(一部抜粋)〜
(小沢剛)盆栽は歴史の目撃者である、という言葉がすごく刺さりました。考えてみれば、人間は生きていると二酸化炭素を出し、植物はそれを吸って、酸素を出す、という関係性でずっと切っても切れない縁で続いてきましたよね。そのようなものを踏まえて、この作品が出来上がったのを僕は見たいなと思っていました。

(玉置泰紀)デジタル空間での体験もできると思うのですが、結構リアルのインスタレーションと同時にイマーシブにやりたいという話がすごくいいなと思いました。1回目のAMBIENT KYOTOの展示で盆栽とブライアン・イーノを合わせたものがあったのですが、盆栽とアンビエントミュージックの相性がすごく良くて。なので、盆栽美術館でもそういう素晴らしいインスタレーションができるのではないかなという気がしていて、色々提案いただいたものをさらに煮詰めれば、もう現実的に何かできるのではないかなと思いました。

【B】デジタルコンテンツキュレーション(展示・発表)プラン

第1位:西山夏海「memories of “life”」

〜コンセプト文〜
過去から現在までに、”生活都市”さいたまで営まれてきた生活を未来に向けて記憶・継承することと、デジタルコンテンツや美術の力でふとした日常が、少しでも気づきのある豊かなものになれば、と企画した。「記憶する」ことに共通の特徴がある2組のアーティストと、デジタル技術とユーモアのある柔軟な発想で日常を豊かにする学生の方々、そしてさいたま市民の方々によって4つの博物館を繋ぐ。

〜選考委員によるコメント(一部抜粋)〜
(小沢剛)西山さんのプラン、これ実現したところを是非見たいと思っていたので、すごく楽しみです。西山さんの人柄が滲み出るようなキュレーションプランなのがよいなと思いました。審査員のみなさんとも話していて、プランの実現に向けて、少し小さくしたほうがいいのではという案もありましたけど、自分の納得いくようにしていただきたいし、審査員共々、完成まで見守っていきたいので頑張ってください。

(森隆一郎)キュレーションプランで採択をしたのですが、予算面の問題もあるので、アーツカウンシルさいたまでも今後どういうふうに手伝っていけるかを一緒に考えていけたらと思っています。例えば、東武アーバンパークラインで何か出したい時、普通はお金で広告等を買っていくけど、そうじゃない方法を一緒に考えたりとか。とても素敵なものになるでしょうし、それがあまり観光に寄らないようにしていく、というのも一つの気をつけていかないといけないことかなと、実現に向けて色々と考えているところです。

第2位:吉岡雄大「SAITAMA HEARTRAIL」

〜コンセプト文〜
さいたま×電車→埼玉から全国に広がる日本の動脈
さいたまは、ベッドタウンと言われる通り、昼夜の人の流入・流出がとても激しい都市である。
それは全国に線路を伸ばし働く人・学ぶ人を巡らせている証拠であり、線路は血管、働く人や学生を血液として捉えた時に、さいたまは日本にとっての心臓といえるのではないかと考えた。
電車にバーチャル空間上の展示会場としての「臨時駅」を造り、働く社会人や学生が日常的に使う電車にいつもと違う景色を加える。

〜選考委員によるコメント(一部抜粋)〜
(岡本美津子)吉岡さん、作品プランとキュレーションプランの両方に応募されて、そのエネルギーも素晴らしいなと思いました。臨時駅というコンセプト、面白いのですが、実際の電車広告とかのプランもあったように、実際の鉄道会社とのコラボレーションを色々考えられるプランだったなと思います。個人的には、その電車に乗っていて、電車の車内アナウンスで「ただいま大宮ハートレール駅(臨時駅)を通過しております、詳しくはQRコードを読んでください」みたいなものがあって、みなさんがバーチャル展示を見始めると面白いなと。色々な妄想をさせられた、面白いプランだったと思います。乗り鉄とか撮り鉄とかあるのですが、バーチャル鉄みたいなのが生まれるのではないかと、なんて思ったりもしまして、非常に発想が豊かなプランだったと思います。

(三浦匡史)さいたまの4大モチーフを材料に考えていただいたのですが、鉄道とか人形とか、割とわかりやすいものにストレートに飛びつくのではなくて、そこをうまく「生活都市さいたま」という解釈に落とし込みながら、臨時駅とかユニークな発想に繋げてもらって、可能性が広がる提案をして下さったと思います。最初のプレゼンの後の講評で大宮の話が出て、さいたまの大宮の場合は明らかに氷川神社のお膝元になる宮の元、に起源があると思うのですが、なぜ大宮の氷川神社があの場所にあるかや、なぜ武蔵国のエリアに氷川神社がたくさんあるか等、色々な疑問の入り口に立っていて、臨時駅がさいたまを知る入り口になり得るなと思いました。

2024年3月10日(日)開催|プラン発表会・選考会アーカイブ

リサーチツアーのようす

開催概要

□第1回
日程:2023年12月2日(土)15:00~18:00
会場:東京藝術大学上野キャンパス 国際交流棟 GA講義室
第1部・ガイダンス「企画趣旨説明と期待する作品や企画について」
オーガナイザー:森隆一郎(アーツカウンシルさいたま プログラムディレクター)、熊倉純子(東京藝術大学国際芸術創造研究科教授、キュレーション教育研究センター副センター長)
第2部・レクチャー
講師: 小沢剛(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授、アーツカウンシルさいたまアドバイザリーボード委員)
ゲスト講師:谷口暁彦(多摩美術大学美術学部情報デザイン学科准教授)

□第2回・第3回 レクチャー&施設・街を巡り学芸員と対話するリサーチツアー1・2
日程:2024年1月13日(土)10:00〜17:00、20日(土)13:00〜17:00
レクチャー「生活都市さいたまについて」
講師:三浦匡史(アーツカウンシルさいたま プログラムオフィサー)
見学施設:鉄道博物館、さいたま市立漫画会館、さいたま市大宮盆栽美術館、さいたま市岩槻人形博物館、有限会社靖月人形、株式会社鈴木人形、その他岩槻市内各所

□第4回講評会
日程:2024年2月17日(土)14:00〜17:00
会場:東京藝術大学千住キャンパス第7ホール
講師:小沢剛、岡本美津子(東京藝術大学副学長(デジタル推進)、同大学院映像研究科教授)、難波祐子(東京藝術大学キュレーション教育研究センター特任准教授)、森隆一郎、三浦匡史

□任意参加のプログラム「さいたま国際芸術祭サポーターミーティング」
日程:2024年2月23日(金祝)
会場: RaiBoC Hall(市民会館おおみや)

□作品プラン/キュレーションプランの提出について
提出〆切:2024年3月1日(金)
応募条件:全6回のレクチャーと講評会、発表会・選考会に参加すること。
募集する作品プラン/キュレーションプラン:さいたま市の地域資源である「盆栽・漫画・人形・鉄道」をテーマに設定した上で、バーチャル空間上で展開する企画。提出の際には、【A】デジタルコンテンツ制作プラン/【B】デジタルコンテンツキュレーション(展示・発表)プランの2部門のいずれかを選択します。奨励金:3月10日(日)実施のプラン選考会では【A】・【B】から2プランずつ採択企画を選定し、各部門1位:20万円、2位:10万円を奨励金として支給します。

□プラン発表会・選考会(一般公開)
日程:2024年3月10日(日) 14:00〜17:00
会場:東京藝術大学 千住キャンパス 第7ホール
選考委員:小沢剛、岡本美津子、谷口暁彦、玉置泰紀(株式会社角川アスキー総合研究所・戦略推進室)、森隆一郎、三浦匡史
選考方法:選考委員が事前提出された作品プラン/キュレーションプランの中から各自3本ずつ推薦し、発表者によるプレゼンテーションを実施した上で、当日に審査を行い、各部門から1位と2位を決定します。

主催:アーツカウンシルさいたま(公益財団法人さいたま市文化振興事業団)、東京藝術大学キュレーション教育研究センター
リサーチツアー協力(見学順):鉄道博物館、さいたま市立漫画会館、さいたま市大宮盆栽美術館、さいたま市岩槻人形博物館、有限会社靖月人形、株式会社鈴木人形

講師・選考委員プロフィール(五十音順)

岡本美津子
(プロデューサー/東京藝術大学副学長(デジタル推進)、同大学院映像研究科教授)

プロデューサー/東京藝術大学副学長(デジタル推進)、同大学院映像研究科教授。
数々の番組や映像、イベント等のプロデュースを行う。
NHKEテレで放送中の「2355」「0655」(2010-月〜金放送)、「自由研究55」チーフプロデューサー。Eテレ「テクネ~映像の教室」(2011-)プロデューサー。「毎日映画コンクール」アニメーション部門審査員(2019,2020,2023)、「文化庁メディア芸術祭」海外展(アニメーション分野)総合ディレクター(2018年-2022年)。令和4年度「芸術選奨」選考審査員。

小沢剛
(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授、アーツカウンシルさいたまアドバイザリーボード委員)

1965年東京生まれ。東京藝術大学修了。代表作品に、地蔵建立、なすび画廊、相談芸術、醤油画資料館、ベジタブル・ウェポン、近年は「帰って来た」シリーズなどがある。西京人やヤギの目など新しい形態のコレクティブにも積極的だ。制作内容やスタイルは多岐にわたる。
主な個展に2004年「同時に答えろYesとNo!」(森美術館)、18年に個展「不完全―パラレルな美術史」(千葉市美術館)など。19年に芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

熊倉純子
(東京藝術大学国際芸術創造研究科教授、キュレーション教育研究センター副センター長)

パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了(美学・美術史)。(社)企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」(茨城県)、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」(東京都)など、地域型アートプロジェクトに学生たちと携わりながら、アートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』『アートプロジェクトのピアレビュー—対話と支え合いの評価手法』『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし—絵物語・声・評価でひもとく 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』、共編書に『社会とアートのえんむすび1996-2000──つなぎ手たちの実践』、共著に『「地元」の文化力―地域の未来のつくりかた』など。

谷口暁彦
(多摩美術大学美術学部情報デザイン学科准教授)

ゲームアート、ネットアート、映像、彫刻など、さまざまな形態で作品を発表している。主な展覧会に「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2017年)など。企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、2018–19年)にて共同キュレ―ターを務める。

玉置泰紀
(株式会社角川アスキー総合研究所・戦略推進室)

株式会社角川アスキー総合研究所・戦略推進室。エリアLOVEウォーカー総編集長。国際大学GLOCOM客員研究員。一般社団法人メタ観光推進機構理事。京都市埋蔵文化財研究所理事。大阪府日本万国博覧会記念公園運営審議会会長代行。産経新聞〜福武書店〜角川4誌編集長後、現在に至る。

Photo: Kenichi Aikawa

難波祐子
(東京藝術大学キュレーション教育研究センター特任准教授)

東京都現代美術館学芸員、国際交流基金文化事業部企画役(美術担当)を経て、国内外で現代美術の展覧会企画に関わる。 企画した主な展覧会に「こどものにわ」(東京都現代美術館、2010年)、「坂本龍一:观音听时 | Ryuichi Sakamoto: seeing sound, hearing time」(M WOODS HUTONG | 木木艺术社区、北京、2021年)、「大巻伸嗣 – 地平線のゆくえ」(弘前れんが倉庫美術館、青森、2023年)、「坂本龍一 | SOUND AND TIME」(MWOODS Museum | 木木美術館、成都、中国、2023年)など。札幌国際芸術祭2014プロジェクト・マネージャー(学芸担当)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター。著書に『現代美術キュレーターという仕事』、『現代美術キュレーター・ハンドブック』(ともに青弓社)など。

三浦匡史
(アーツカウンシルさいたまプログラムオフィサー)

NPO法人都市づくりNPOさいたま 理事・事務局長、および個人事務所 地域生活デザイン代表。
市民参加を促進するためのワークショップの開催、シンポジウムの企画・運営、さまざまな市民団体や個人とのネットワークを形成するためのつなぎ役として活躍し、市民と行政を仲立ちするまちづくりNPOの活動を行なっている。さいたまトリエンナーレ2016ではプロジェクトディレクターを、さいたま国際芸術祭2020ではキュレーターを務めた。

森隆一郎
(アーツカウンシルさいたま プログラムディレクター)

これまで東京都江東区や福島県いわき市で文化施設の新たなあり方を実践、アーツカウンシル東京でPRディレクターを務め、2018年に独立。現在は、アートと社会の間に新しい関係性を育むことを目指す「合同会社渚と」代表社員。ほかに東京藝術大学のプロジェクトや銀座ヴィジョン会議、文化コモンズ研究所などで多様な活動を進める。2022年10月よりアーツカウンシルさいたまプログラムディレクター。共著に「文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと」水曜社

アーツカウンシルさいたまについて

アーツカウンシルさいたまとは、市民が暮らしの中で文化芸術と触れ合う機会を増やし、市民生活の多様な場面で創造活動が行われる環境を整備するとともに、文化芸術を通じて将来のさいたま市の姿を考えることを目的に創設された支援組織です。
https://saitama-culture.jp/aboutus/

関連リンク

「空想するさいたま」参加者募集のお知らせ
https://ccs.geidai.ac.jp/2023/11/15/acsaitama/

「空想するさいたま」3/10(日)開催・最終プラン発表会/選考会 観覧募集のお知らせ
https://ccs.geidai.ac.jp/2024/02/10/acs0310/

本事業に関するお問い合わせ

アーツカウンシルさいたま
TEL:048-767-5350 (祝日を除く火曜~土曜 9:00~17:00)
住所:336-0024 さいたま市南区根岸1-7-1-4階

2024-05-22T00:26:40+09:002024/05/13|

東京藝術大学キュレーション教育研究センターキックオフシンポジウム「いま、キュレーションを問い直す」

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東京藝術大学キュレーション教育研究センターキックオフシンポジウム

「いま、キュレーションを問い直す」

東京藝術大学キュレーション教育研究センター(CCS Geidai)が2022年8月に開設されたことを記念し、シンポジウムを開催しました。

これまで数多くの学芸員を輩出してきた学芸員教育に加え、現代のキュレーションの役割、日本のキュレーションの未来を考えるプラットフォームとして期待される当センター。最近では「アート志向」「デザイン思考」をはじめ、アート全般や、アートをプロデュースすることに対する一般社会の関心の高まりも見受けられます。また、キュレーションが意味するもの、その役割についても、日々変化が進んでいます。

シンポジウム当日は3部構成で、美術、音楽それぞれの分野からキュレーションの意味や役割を問い直し、今日的な重要性について考えました。また、キュレーション教育研究センターがこうした現状に貢献できること、目指すべき姿について皆さんと語り合い、共有する場を設けました。

フォトレポート

開催概要

東京藝術大学キュレーション教育研究センターキックオフシンポジウム
「いま、キュレーションを問い直す」

日時:2023年11月19日(日)14:00〜16:45 (13:30開場)
会場:上野キャンパス美術学部中央棟1F第1講義室
料金:無料
定員:100名(先着順、事前予約制)
対象:学内・学外を問わず、どなたでもご参加いただけます

スケジュール

イントロダクション:14:00〜14:20(20分)
東京藝術大学キュレーション教育研究センターのご紹介
今村有策(美術研究科グローバルアートプラクティス専攻教授、キュレーション教育研究センター長)
熊倉純子(国際芸術創造研究科教授、キュレーション教育研究センター副センター長)

第1部:14:20〜15:05(45分)
美術編「キュレーションの多元性/キュレーションを支える文化政策と市民社会」
ゲスト:逢坂恵理子(国立新美術館館長)、柳沢秀行(大原美術館学芸統括)
ファシリテーター:今村有策、李美那(美術研究科グローバルアートプラクティス専攻准教授)

(休憩10分)

第2部:15:15〜15:50(35分)
音楽編「キュレーションは美術だけのものではない!」
ゲスト:クァルテット・エクセルシオ
ファシリテーター:安良岡章夫(作曲科教授)、箕口一美(国際芸術創造研究科教授)

第3部:16:00〜16:45(45分)
大学編「東京藝大<芸術未来研究場>とキュレーション教育研究センター(CCS Geidai)」
ゲスト:吉本光宏(合同会社文化コモンズ研究所 代表・研究統括、本学経営協議会外部委員)
日比野克彦(本学学長)、熊倉純子

ゲストプロフィール(出演順)

Photograph by Mie Morimoto

逢坂恵理子|おおさかえりこ

東京都生まれ
学習院大学文学部哲学科卒業 専攻芸術学
国際交流基金、ICA名古屋を経て、1994年より水戸芸術館現代美術センター主任学芸員、1997年より2006年まで同センター芸術監督。2007年より2009年1月まで森美術館 アーティスティック・ディレクター。2009年4月より2020年3月まで横浜美術館館長。2019年10月より国立新美術館長に就任。2021年7月より独立行政法人国立美術館 理事長を兼任。

柳沢秀行|やなぎさわひでゆき

大原美術館 学芸統括
1991年より岡山県立美術館学芸員。日本近現代美術史研究をベースに6つの自主企画展を担当。また社会における美術(館)が果たし得る機能への関心から、同館の教育普及事業、ボランティア運営に関わる。
2002年より大原美術館勤務。現代作家との事業や、所蔵品を活用した展示活動を担当。また同館の社会連携事業を統括。

クァルテット・エクセルシオ|Quartet Excelsior

ヴァイオリン西野ゆか 北見春菜 ヴィオラ吉田有紀子 チェロ大友肇
1994年桐朋学園大学在学中に結成。年間60公演以上を行う日本では数少ない常設の弦楽四重奏団。2021年日本人団体として初となるベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲のCD録音を完結。第2回大阪国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門第2位、第5回パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール最高位、第19回新日鉄フレッシュアーティスト賞、第16回ホテルオークラ賞受賞。浦安音楽ホールレジデンシャル・アーティスト。

©Jouji Suzuki

吉本光宏|よしもとみつひろ

1958年徳島県生。早稲田大学大学院修了(都市計画)後、社会工学研究所、ニッセイ基礎研究所(研究理事)などを経て2023年6月文化コモンズ研究所代表・研究統括、長野県文化振興事業団理事長に就任。東京オペラシティ、国立新美術館等の文化施設開発、東京国際フォーラムのアート計画などのコンサルタントとして活躍する他、文化政策、文化施設の運営・評価、創造都市等の調査研究に取り組む。文化審議会委員、東京芸術文化評議会評議員、(公社)企業メセナ協議会理事などを歴任。著作に「再考、文化政策(ニッセイ基礎研所報)」「アート戦略都市(監修、鹿島出版会)」など。

関連リンク

東京藝術大学キュレーション教育研究センターキックオフシンポジウム
「いま、キュレーションを問い直す」開催のお知らせ
https://ccs.geidai.ac.jp/2023/10/19/kickoffsymposium/

東京藝術大学キュレーション教育研究センターキックオフシンポジウム
「いま、キュレーションを問い直す」アーカイブムービー公開のお知らせ(公開終了)
https://ccs.geidai.ac.jp/2023/12/27/kickoffarchive/

2024-05-22T00:27:28+09:002024/03/24|
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