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2026年度開講授業
藝大生向け・一般の方向け
現代美術キュレーション概論
開講日時
後期 木曜6限 18:00〜19:30
開講場所
一般の方 オンライン
藝大生 上野キャンパス 国際交流棟 GA講義室
現代美術を取り巻くキュレーションは、近年の美術表現の領域横断化や、時代の変化に伴う美術館や展覧会のあり方の変遷によって、大きくその姿を変えています。本授業では、美術館での展覧会から、街なかでのアートプロジェクトに至るまで、さまざまな形でアートと社会をつなぐキュレーションの実践について、実際にそれぞれの現場で活躍している講師陣を迎えて授業を構成します。取り扱うジャンルも絵画や彫刻などの従来のアートに加えて、パフォーマンスや参加型・プロジェクト型のアート、領域横断的な協働型のアートなど広く紹介します。なお、授業は講師の都合により内容の変更が生じたり、順序が入れ替わる可能性があります。



Photo : Yo Noguchi
2026年度ラインナップ
第1回|10/1(木)
担当教員:難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授)
「イントロダクション:現代美術キュレーションの見取り図ー美術館、国際展、芸術祭、アートプロジェクト」
第2回|10/8(木)
担当教員:難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授)
「日本におけるキュレーションの変遷について:戦後から現在まで」
第3回|10/15(木)
担当教員:李美那(大学院美術研究科 教授)
「日本におけるMuseumとMuseum curatorの関係と文脈—変化する国際情勢の中で」
第4回|10/22(木)
担当教員:熊澤弘(大学美術館 教授)
「ミュージアム・コレクションの管理とキュレーション:東京藝術大学大学美術館所蔵の現代美術作品の事例を中心に」
第5回|10/29(木)
担当教員:鷲田めるろ(大学院国際芸術創造研究科 准教授)
「国際展でのキュレーション:ヴェネチア・ビエンナーレ日本館を例に」
第6回|11/5(木)
担当教員:担当教員:難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授) +柳沢秀行(大原美術館 学芸統括)【新】
「ミッションと実行戦略 ―大原美術館 70年+20年の活動」
第7回|11/12(木)
担当教員:藤原旅人(芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助教)【新】
「市民参加型プロジェクトのキュレーション:共創を生み出すアートプロジェクトとは?」
第8回|11/19(木)
担当教員:難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授)
「前半授業振り返り&後半授業イントロダクション:ポスト・ウィズコロナの時代のキュレーション」
第9回|11/26(木)
担当教員:清水知子(大学院国際芸術創造研究科 教授)【新】
「モア・ザン・ヒューマンとキュレーション——AI・エコロジー・資本主義をめぐる問い」
第10回|12/3(木)
担当教員:毛利嘉孝(大学院国際芸術創造研究科 教授)
「リサーチ=ベースト・アートとキュレーション」
第11回|12/10(木)
担当教員:荒木夏実(美術学部 准教授)
「歴史と向き合うキュレーション:人種・ジェンダー・帝国主義」
第12回|1/7(木)
担当教員:平諭一郎(未来創造継承センター 准教授)
「アーカイヴとキュレーション:作品と資料とその再演」
第13回|1/14(木)
担当教員:相馬千秋(大学院美術研究科 准教授)
「 領域横断するキュレーション:『パフォーマンス』を生成するキュレーション実践」
第14回|1/21(木)
担当教員:難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授)+青木彬(インディペンデント・キュレーター)
「社会包摂とキュレーション」
受講生のみなさんへ
キーワード:#キュレーション #学芸員 #芸術祭 #美術館 #国際展 #アートプロジェクト #アーカイブ #文脈
担当教員(キュレーション教育研究センター 特任准教授・難波祐子)より
本授業では、美術館・博物館関係者はもとより、普段アートとは直接関係のない部署で働いているビジネスパーソンなど多様な受講生が参加しています。また藝大生も学部・大学院の幅広い専攻の学生が受講している大変ユニークな授業です。現代美術の「キュレーション」の今を知ることで、従来の美学・美術史的な発想とはまた別の視点でアートと社会の関係を捉え直すきっかけが見つかるかもしれません。
先輩修了生の声
- 展覧会をまた違った視点から見られるようになったり、これまであまり関心のなかった展覧会にも足を運ぶようになりました。(2025年度受講生、30代・会社員)
- 「キュレーションとは何か」そもそも「アートとは何か」という問いの「これだ!」という明確な答えはなくて、アートを学んだからと言ってすぐに分かるようなことではない、ということを学べてよかったです。(2025年度受講生、20代・パート/アルバイト)
- 様々な立場の方々と1つのプロジェクトを作り上げていくための対話や、利害関係者との交渉、時間や予算の制約を工夫して乗り越えるといったことは、普段の仕事と共通していると感じました。(2025年度受講生、50代・会社員)
- 毎回、脳が溶けそうな情報量と新しい視点が得られました。(2025年度受講生、50代・会社員)
- 地方の雪国の田舎住まいなのでアートについて深く話せる人もおらず、この講義は興味深い話し声が聞こえる窓のような存在でした。(2025年度受講生、50代・会社員)
- 勤務館のある地域や来館者の思考と改めて向き合い「どんなコミュニケーションをアートを介してつくっていくか」や「どういうコンセプトが求められるか」、自館ならではのつながり方を模索したいなと感じています。(2025年度受講生、40代・美術館職員)
- これまで専門的な美術教育を受けたことがなく、学芸員資格もなく、キュレーターでもない自分がアートの現場でコーディネーターを名乗る時、周囲(特に作家)から期待されている役割を達成できているのかを常に問いながら活動してきました。本授業での学びは私にとってこれまでの活動の意義を認めていただけるものであり、今後の励ましになるものでした。(2025年度受講生、40代・アートコーディネーター)
担当教員
難波祐子(キュレーション教育研究センター 特任准教授)
キュレーター。東京都現代美術館学芸員、国際交流基金文化事業部企画役(美術担当)を経て、国内外で現代美術の展覧会企画に関わる。 企画した主な展覧会に「こどものにわ」(東京都現代美術館、2010年)、「大巻伸嗣 – 地平線のゆくえ」(弘前れんが倉庫美術館、青森、2023年)、「夜明けの荒野を走ってー池口史子×碓井ゆい展」(堺屋太一記念東京藝術大学美術愛住館、2025年)など。また坂本龍一の大規模インスタレーション作品を包括的に紹介する展覧会(2021年:M WOODS/北京、23年:M WOODS/成都、24-25年:東京都現代美術館、26年: M+/香港、ハンブルガー・バーンホフ/ベルリン、台北市立美術館)のキュレーターを務める。札幌国際芸術祭2014プロジェクト・マネージャー(学芸担当)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター、タイランド・ビエンナーレ2025アドバイザー。著書に『現代美術キュレーターという仕事』、『現代美術キュレーター・ハンドブック』『現代美術キュレーター10のギモン』(すべて青弓社)など。

Photo: Tomohiko Tagawa
©Real Sound Book
李美那 (大学院美術研究科 教授)
東アジアを中心とする近現代美術史。東京藝術大学大学院美術研究科西洋美術史専攻修了。静岡県立美術館学芸員(1993-2003)、神奈川県立近代美術館主任学芸員(2003-2017)として展覧会、教育普及プログラムを企画・実施。主な展覧会に「東アジア/絵画の近代 ― 油画の誕生と展開」(1999)、「アルベルト・ジャコメッティ―矢内原伊作とともに」(2006)、「日韓近代美術家のまなざし ―『朝鮮』で描く」(2015)など。

熊澤弘(大学美術館 教授)
東京藝術大学大学美術館准教授。1970年生まれ、神奈川出身。東京藝術大学美術学部芸術学科卒、同大学院美術研究科(西洋美術史)修了。同大学美術学部芸術学科助手、同学大学美術館助手・助教、武蔵野音楽大学音楽学部音楽環境運営学科常勤講師をへて、2017年4月より現職。オランダを中心とする西洋美術史、博物館学が専門。日本国内外の美術展覧会にかかわる。主な担当展覧会に「線の巨匠たち――アムステルダム歴史博物館所蔵素描・版画展」(2008年、大学美術館他)、“Japans Liebe zum Impressionismus”(日本が愛した印象派) (2015年、ドイツ連邦共和国美術展示館)。「ミラクルエッシャー展」(2018年、上野の森美術館)等。編著書に『レンブラント 光と影のリアリティー』(角川書店 2011年)、『脳から見るミュージアム アートは人を耕す』(中野信子と共著、講談社現代新書 2020年)他多数。

鷲田めるろ(大学院国際芸術創造研究科 准教授)
1973年生まれ。東京大学大学院修士(文学)修了。金沢21世紀美術館キュレーター(1999年から2018年)を経て2020年より十和田市現代美術館館長。第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター(2017年)。あいちトリエンナーレ2019キュレーター。著書に『キュレーターズノート二〇〇七ー二〇二〇』(美学出版)。主な論文に「鶴来現代美術祭における地域と伝統」『金沢21世紀美術館研究紀要アール』6号。

©︎小山田邦哉
柳沢秀行(公益財団法人大原芸術財団 シニアアドバイザー)
1991年筑波大学芸術専門学群芸術学専攻卒業。同年より岡山県立美術館学芸員。日本近現代美術史研究を基本に6つの自主企画展を担当。また社会における美術(館)が果たし得る機能への関心から、教育普及事業、ボランティア運営に関わる。
2002年大原美術館勤務。学芸課長、学芸統括を経て現職。現代作家との諸事業、所蔵品を活用した活動を展開。また同館の社会連携事業を統括。2023年から倉敷民藝館館長補佐を兼務。

藤原旅人 (芸術未来研究場 ケア&コミュニケーション領域 特任助教)
三重県生まれ。九州大学大学院芸術工学府博士後期課程修了。博士(芸術工学)。
文化政策学、アートマネジメント学、ボランティア人類学を専門とし、日本全国で展開する国際芸術祭・アートプロジェクトを支えるアートボランティアの成立と展開を跡づけている。「さいたまトリエンナーレ2016」 サポーター・コーディネーター、九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター特任助教を経て、現職にいたる。
共著に『アートプロジェクトの変貌 理論・実践・社会の交差点』(水曜社、2025年)がある。

清水知子 (大学院国際芸術創造研究科 教授)
愛知県生まれ。専門は文化理論、メディア文化論。アートとテクノロジー、動物、ジェンダーについて、芸術と政治をめぐる問題を研究。英国バーミンガム大学大学院 MA(社会学・カルチュラル・スタディーズ)、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。山梨大学、筑波大学、米国ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員(フルブライト研究員2010−2011)、独ベルリン自由大学客員研究員(2018-2019)を経て現職。著書に『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社)、『ディズニーと動物―王国の魔法をとく』(筑摩選書)、共訳書にジュディス・バトラー『アセンブリ——行為遂行性・複数性・政治』(青土社)、『非暴力の力』(青土社)、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『叛逆』(NHK出版)、デイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店)など。

毛利嘉孝 (大学院国際芸術創造研究科 教授)
1963年生まれ。社会学者。文化/メディア研究。京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジPh.D.(社会学)、MA (メディア&コミュニケーションズ)修了。九州大学を経て現職。特にポピュラー音楽や現代美術、メディアなど現代文化と都市空間の編成や社会運動をテーマに批評活動を行う。主な著書に『バンクシー:アート・テロリスト』、『文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱』、『ストリートの思想 転換期としての1990年代』、『はじめてのDiY』、『増補 ポピュラー音楽と資本主義』、共著に『入門 カルチュラル・スタディーズ』、『実践 カルチュラル・スタディーズ』、『現代思想入門 グローバル時代の「思想地図」はこうなっている!』、『ネグリ、日本と向き合う』など。編著に『アフター・テレビジョン・スタディーズ』など。

荒木夏実 (美術学部 教授)
キュレーター、美術評論家。慶應義塾大学文学部卒業、英国レスター大学ミュージアム・スタディーズ修了。三鷹市芸術文化振興財団(1994-2002)、森美術館(2003-2018)でキュレーターとして展覧会および教育プログラムに携わる。主な展覧会に「小谷元彦展:幽体の知覚」(2010-11)、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(2014)、「ディン・Q・レ展:明日への記憶」(2015)、「六本木クロッシング2016:僕の身体、あなたの声」(以上森美術館)、「彼女たちは歌う」(2020)、「居場所はどこにある?」(2021)、「あなたのアートを誰に見せますか?」(2023)(以上東京藝術大学大学美術館 陳列館)など。「ゴー・ビトゥイーンズ展」で第26回倫雅美術奨励賞、第10回西洋美術振興財団学術賞受賞。

平諭一郎 (未来創造継承センター 准教授)
1982年生まれ。専門は文化財や芸術の保存・継承。芸術保存継承研究会・主宰。東京藝術大学デザイン科卒。同大学院文化財保存学専攻修了。文化財、美術品の再現・復元制作とともに、領域横断的な芸術の保存・継承について研究し、展覧会、論考、作品として発表。主な企画に、2018年「芸術の保存・修復―未来への遺産」展、2021年「再演―指示とその手順」展(共に東京藝術大学大学美術館)。

相馬千秋 (大学院美術研究科 准教授)
NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。過去20年にわたり日本、アジア、欧州で多数の企画をディレクション。その代表的なものは、フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009-2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター、シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017-現在)、豊岡演劇祭2021総合プロデューサーなど。
2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授(2016-2021)を経て、2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授(グローバルアートプラクティス専攻)。2023年にドイツのフランクフルト・オッフェンバッハで開催される世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターも務めた。

©NÓI CREW
青木彬(インディペンデント・キュレーター)
1989年東京都生まれ。京都市在住。一般社団法人藝とディレクター。首都大学東京インダストリアルアートコース卒業。アートを「よりよく生きるための術」と捉え、アーティストや企業、自治体と協働して様々なアートプロジェクトを企画している。近年は社会福祉とアートの繋がりに関心を持ち、特にセツルメント運動を手がかりに地域福祉における創造的実践を調査している。
これまでの主な活動に「SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024」ゲストキュレーター(横須賀市,2024)、「三島満願芸術祭202」ゲストキュレーター(三島市,2024)、まちを学びの場に見立てる「ファンタジア!ファンタジア!─生き方がかたちになったまち─」ディレクター(墨田区,2018~)などがある。出版物に『素が出るワークショップ』(学芸出版)編著、『幻肢痛日記』(河出書房新社)著。

一般の方へ・受講に際してのご案内
・授業ごとに講座の形式(レクチャー/ワークショップ/対面ORオンライン実施)が異なりますので、お申し込み前に必ずご確認ください。
・授業ごとに、定員の有無が異なります。定員のある授業は、選考基準を設けることがございますのであらかじめご了承ください。詳しくは各授業の紹介ページをご参照ください。
・有料の授業は、受講申込フォームにご記入いただいた後、キュレーション教育研究センターから届く受講決定通知メールで支払い等の案内がございます。必ずご一読ください。
・オンライン/オンデマンド授業の、記録・録画等は固くお断りしています。万が一発見した場合については、法的措置をとる可能性がございます。
・同じセメスターの、複数の授業にお申し込みいただくことも可能です。
・その他受講に際してのご質問等ございましたら、「CONTACT」ページのフォームよりお問い合わせください。

