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2025年度開講授業
藝大生向け・一般の方向け

社会包摂のためのアートプロジェクト:音楽×身体表現×福祉Ⅰ(理論編)
※本授業は「有楽町藝大キャンパス」の一環として実施します。
※本授業の申込・お問い合わせは「有楽町藝大キャンパス」事務局までお願いいたします。
開講日時
後期集中(3月末時点では下記のスケジュールを予定しています。)
11/15(土)、11/22(土)、11/29(土)、12/13(土)、1/10(土)、1/17(土)
各日13:30〜18:30
※11/29(土)のみ午前開講の予定。
開講場所
有楽町 YAU STUDIO
東京都中央区銀座一丁目3番先 東京高速道路北有楽ビル1階
※11/15(土),11/29(土)は、東京藝術大学
この授業では、社会包摂の視点を大切にした芸術実践、特に自治体や福祉施設等と連携して行うアートプロジェクトの企画・運営について、背景理論や実例を参照しながら学びます。クラシック音楽と身体表現を融合させた体験型プログラム「ムジタンツ」の活動を参考事例として扱うほか、実演家、研究者、福祉領域専門スタッフ等をゲストに招き、多角的な見地をもってアートプロジェクトを具現化するプロセスや意義について考えていきます。
また、授業内では実際に音楽と身体表現を用いたワークショップも体験いただきます。その体験について丁寧に言語化し、そこで起こっていることについて受講生一人ひとりの視点を通したディスカッションを行います。
授業の後半では、複数のグループに分かれて、芸術実践と社会課題を結ぶプロジェクトの企画立案に取り組みます。発表・講評を重ね、それぞれの企画のブラッシュアップを行っていきます。
なお、講師の都合により内容の変更が生じたり、順序が入れ替わる可能性がありますのでご了承ください。
※本授業は、2024年度まで「有楽町藝大キャンパス」で開講されていた「演習:アートプロジェクト 音楽×身体表現×福祉」の後継科目です。今後、「Ⅰ(理論編)」「Ⅱ(実践編)」の2科目に構成をリニューアルして開講します。
※本授業は、2026年度開講予定「社会包摂のためのアートプロジェクト:音楽×身体表現×福祉Ⅱ(実践編)」と併せて受講することを推奨します(必須ではありません)。詳細は2026年春の発表をお待ちください。
ムジタンツとは:
「ムジタンツ」は、音楽(Musik)とダンス(Tanz)を組み合わせた造語です。音楽の酒井雅代と身体表現の山崎朋が互いの専門性を持ち寄り、新しい形のワークショップ型プログラムを開発。主にクラシック音楽を題材に、さまざまな切り口から作品を体感しながら、価値観や創造力が広がっていくような体験となることを目指しています。また、「遊び」を大切なキーワードの一つとして、参加者の興味関心に寄り添いながらゆるやかに進行していくスタイルも特徴です。2018年に東京藝術大学一般公開講座として活動を開始。以降、文化施設や教育機関、福祉施設等におけるプログラムの開発や実践、文化芸術活動に携わる人々を対象とした人材育成事業でのプロジェクト運営および実施など、さまざまな場で活動を展開しています。
開講場所について|

本授業は、「有楽町アートアーバニズムYAU」のスタジオを会場として行います。
YAUは、アーティストの活動を街に呼び込み、ワーカーとの交流を誘発する実証プログラムとして生まれました。就業者人数約28万人という日本有数のビジネス街である大手町・丸の内・有楽町にあるスタジオには、映像・写真といったメディアアートからパフォーミングアーツまで幅広いアーティストやその活動を支えるアートマネージャーが集っています。学生とビジネスパーソンが共に参加することで、社会との共創的なコミュニティを育むことを目指し、社会での活躍に結び付くような人材育成を目指します。 https://arturbanism.jp/
一般の方 | 受講方法
定員 | 20名(応募者多数の場合は選考します)
受講方法 | 全6回の対面授業
受講料|50,000円(税込)
受講生募集期間|2025年夏ごろ公開予定
お申し込み・詳細|「有楽町藝大キャンパス」事務局 https://yurakucho-geidai-campus.jp/
藝大生の方 | 受講方法
授業シラバスを参照の上、CampusPlanで履修登録してください。なお、卒業要件単位に含むかどうかは、ご自身の所属する各科のカリキュラムに準じます
写真:中川周
2025年度ラインナップ
第1回|イントロダクション、ワークショップ体験
講義の前半では、クラシック音楽と身体表現を組み合わせた「ムジタンツ」のワークショップを体験し、その体験について分析的に振り返り言語化する。また、アートプロデュースについてのイントロダクションとなる講義を行う。
※動きやすい服装でご参加ください。
第2回|ケーススタディ
福祉領域とアートが連携する複数の事例についてケーススタディを行い、実例や背景理論についての理解を深める。また、それについてのディスカッションを行う。
第3回|ワークショップ体験、ケーススタディ
松岡大氏(NPO法人 LAND FES)をゲストにお招きし、松岡氏によるダンスワークショップを体験するほか、地域との連携やダイバーシティ推進の取り組みを行ってきたLAND FESの活動事例について紹介いただく。
第4回|企画立案
複数のグループに分かれ、芸術実践と社会課題を結ぶプロジェクトの企画立案に取り組む。
第5回|企画立案、プレゼンテーション①、講評
第4回に引き続き、芸術実践と社会課題を結ぶプロジェクトの企画立案に取り組む。また、各グループの提案する企画についての中間プレゼンテーションとフィードバックを行い、企画のブラッシュアップを目指す。
第6回|プレゼンテーション②、講評、振り返り
企画の最終プレゼンテーションと講評を行う。また、本講義全体の振り返りを行う。
受講生のみなさんへ
キーワード:#音楽 #ダンス #ワークショップ #こども #企画立案 #コミュニケーション
担当教員(コーディネーター・酒井雅代)より
近年、パフォーミングアーツにおける非言語コミュニケーションの側面に注目が集まり、芸術のみならず教育や福祉など幅広い分野でその活用が模索・実践されています。本授業では、クラシック音楽と身体表現を融合させた体験型プログラム「ムジタンツ」の活動を中心に、福祉分野と連携して行うアートプログラムの実例について学びながら、音楽や身体表現を用いたプログラムをどのように地域に実装することができるか思考します。地域コミュニティや地域福祉と芸術文化を繋ぐことに関心のある方々のご受講をお待ちしています。
先輩修了生の声
- 私はまだ社会に出たことがなく、世間では音楽や芸術がどのように捉えられているのかわかっていなかったが、ワークショップやグループワークを通して社会人の方と交流し、世の中には芸術の可能性を信じている方が必ずいること、自分の周りの世界をより良いものにしようと考え行動に移している人がたくさんいることを知り、私が普段藝大で取り組んでいることを肯定してもらえたような気がした。(2024年度受講、藝大生・作曲科)
- 周りの人がある種、特殊であることをあらためて感じた。また社会にあまり期待していなかったが、自分がもやもや考えていることを受け入れてくれる大人がいる事実を知ることができてよかった。アーティスト以外にも面白い大人っているんだと思えた。(2023年度受講、藝大生)
担当教員
箕口一美(大学院国際芸術創造研究科 教授)
1960年生まれ。87年6月よりカザルスホール企画室・アウフタクトで企画制作にたずさわり、2000年3月まで同ホールプロデューサー。98年より財団法人地域創造『公共ホール音楽活性化事業』にコーディネーターとして参画、地域での芸術普及のさまざまな可能性を、各地のホール担当者、若手演奏家とともに考えて来た。2001~08年NPOトリトン・アーツ・ネットワークディレクター。08~16年サントリーホール・プログラミングディレクターおよびグローバルプロジェクト・コーディネーター。現在、東京芸術大学大学院国際芸術創造研究科教授。学生や若い研究者たちと、音楽ワークショップ・ファシリテーション開発に取り組んでいる。訳書:アンジェラ・M・ビーチング著「Beyond Talent 音楽家を成功に導く12章」(2008年・水曜社刊)

酒井雅代
桐朋学園大学、同研究科修了(ピアノ専攻)。室内楽を主とした演奏活動を行う。各方面で音楽ワークショップやファシリテーター・トレーニングの企画運営に携わる。
2018年東京藝術大学一般公開講座「藝大ムジタンツクラブ」を開始。クラシック音楽と身体表現の要素を混ぜて遊ぶ、新しい形のアートプログラムを提案・実践している。

山崎朋
東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、同大学院音楽文化学専攻芸術環境創造分野修了。学生時代より振付作品の創作や演劇・ダンス作品への出演などを行う。また、非劇場空間でさまざまな分野とのコラボレーションによる作品制作を行うパフォーマンスプロジェクト「居間 theater」メンバーとしても活動。www.imatheater.com
