演習:アートプロジェクト したまちフィールドワーク

藝大生向け・一般の方向け

開講日時
通年(曜日不定期)
※今後変更の可能性がございます。

①5/17(土) 3〜5限(13:00〜17:50)
②5/25(日) 2〜4限(10:40〜16:10)
③9/6(土) 3限(13:00〜14:30)
④10/4(土) 3限(13:00〜14:30)
⑤10/12(日) 1〜5限(9:00〜17:50)※「キタ!千住の1010人」開催当日
・雨天時は10/13(月祝) 1〜5限(9:00〜17:50)に順延
・さらに荒天時は11/15日(土)・11/16日(日)に延期
⑥10/26(日) 3〜4限(13:00〜16:10)
・⑤が11月に延期の場合は11/30(日) 3〜4限(13:00〜16:10)

開講場所
千住キャンパスほか

まちなかで行う市民参加型アートプロジェクトの実践現場を通して、芸術と市民社会の関わり方を考えます。東京藝術大学千住キャンパスが位置する足立区のほか、東京の下町エリアを主なフィールドとして、まちで行われる芸術文化プロジェクトの運営に携わります。

本授業では、アーティスト、行政、NPO、市民ボランティアなど、芸術の専門家・非専門家を問わず多様な担い手とともに領域横断的な表現を扱うことで、同時代の社会と関わりながら、共創的な場を作ることを可能にするアーツマネジメントの手法を実践的に学びます。

本年度は、足立区千住を中心に、東京藝術大学(音楽学部・大学院国際芸術創造研究科)と足立区シティプロモーション課、NPO法人音まち計画の三者が共同で実施している文化事業「アートアクセスあだち 音まち千住の縁(音まち)」(2011年〜現在)がフィールド。作曲家・野村誠とともに実施する千住だじゃれ音楽祭「キタ!千住の1010人」をテーマプロジェクトとして取り上げます。

「キタ!千住の1010人」は、楽器経験の有無を問わず、1010人の多様な人びとが参加できるコンサートです。タイトルの「キタ!」には、「北」千住、帰って「来た」、インドネシア語で「私たち」を意味する「KITA」など、さまざまな意味が込められています。国内外からゲストを迎え、多様な背景を持った人びととの継続的なコラボレーションによって、まちなかで奏でる1010人の参加型コンサートをつくりあげていきます。

※本授業は、2024年度まで開講されていた「演習:アートプロジェクト 1DAYパフォーマンス表現街」の後継科目です。
授業内容に大幅な変更はありません。リニューアルに際して、体験できるアートイベントの現場が新しくなりました。

一般の方 | 受講方法

定員 | 10名(応募者多数の場合は選考します)
受講方法 | 全6回の対面授業を無料で受講できます。
受講生募集期間|4/14(月)正午〜5/7(水)18:00

藝大生の方 | 受講方法

授業シラバスを参照の上、Campus Planで履修登録してください。なお、卒業要件単位に含むかどうかは、ご自身の所属する各科のカリキュラムに準じます。

「キタ!千住の1010人」ティザー
野村誠 ふろデュース「風呂フェッショナルなコンサート」(2012年) 撮影:森孝介
野村誠 千住だじゃれ音楽祭「千住の1010人」(2014年) 撮影:加藤健
野村誠 千住だじゃれ音楽祭「千住の1010人」(2014年) 撮影:加藤健
公募で集まった「だじゃれ音楽研究会」(通称「だじゃ研」)

2014年度の様子:
野村誠 千住だじゃれ音楽祭「千住の1010人」(東京都中央卸売市場 足立市場)

2024年度の様子
おとなもこどもも 声と楽器と舞で たのしむ・さぐる
「だじゃれ音楽 オープンキャンパス」
(東京藝術大学 千住キャンパス)

▼「千住だじゃれ音楽祭」とは
作曲家の野村誠とともに展開している「千住だじゃれ音楽祭」は、地域の人たちが、気軽にだじゃれを言い合い、そこから音楽を生み出していくプロジェクトです。だじゃれという言葉遊びは、一見無関係な言葉どうしを、音の要素の類似によって半ば強引に結びつけてしまうパワーを持っています。だじゃれ音楽の研究は、それを活かした新たな作曲方法の開発です。

千住だじゃれ音楽祭 特設ウェブサイト
https://aaasenju.wixsite.com/dajaremusic

▼「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」(通称「音まち」)とは
人とのつながりが希薄な現代社会において、アートを通じて新たな「縁(えん)」を生み出すことをめざす市民参加型のアートプロジェクトです。下町情緒の残る足立区千住地域を中心に、市民やアーティスト、東京藝術大学の学生たちが協働して「音」をテーマとしたプログラムを複数実施しています。

音まち公式ウェブサイトhttps://aaa-senju.com

受講生のみなさんへ

キーワード:#アートプロジェクト #市民協働 #参加型音楽 #行政 #NPO #まちづくり

担当教員(吉田武司・長尾聡子)より
足立区千住で、市民とアーティストが一緒に活動し、まちに新たな縁を生み出すアートプロジェクトに触れてみませんか? 古くは宿場町として栄え、新旧入り混じる千住。このまちにキャンパスを構える藝大が、アートNPOや足立区シティプロモーション課等と運営のタッグを組み15年目を迎える市民参加型アートプロジェクトのマネジメント現場を体験できる授業です。まちづくりとアートのかかわりに関心のあるみなさまに受講いただけると嬉しいです。

担当教員

熊倉純子(国際芸術創造研究科 教授)

パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了(美学・美術史)。(社)企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」(茨城県)、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」(東京都)など、地域型アートプロジェクトに学生たちと携わりながら、アートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』『アートプロジェクトのピアレビュー—対話と支え合いの評価手法』『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし—絵物語・声・評価でひもとく 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』、共編書に『社会とアートのえんむすび1996-2000──つなぎ手たちの実践』、共著に『「地元」の文化力―地域の未来のつくりかた』など。

吉田武司

1984年生まれ。大阪市出身。京都造形芸術大学芸術表現・アートプロデュース学科卒業。埼玉県北本市で実施された〈北本ビタミン〉(2010年〜2012年)や東京都三宅島の〈三宅島大学〉(2013年)などアートプロジェクトの事務局として企画運営に携わる。その後、2014年にはアートポイント計画のプログラムオフィサーに従事。現在、足立区千住を中心に「音」をテーマにまちなかで展開しているアートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」のディレクターを務める。

長尾聡子

神奈川県生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造分野修了。在学中に「取手アートプロジェクト」(茨城県取手市)の人材育成プログラム「TAP塾」インターン、「art-Link 上野-谷中」(台東区)に運営スタッフとして参加。横浜市内の公共ホール、東京アートポイント計画プログラムオフィサー、東京藝術大学音楽環境創造科教育研究助手を経て、現在は「音」をテーマとした市民参加型アートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」(足立区)の事務局長として、NPOの会計や広報、プログラムの企画制作などを担う。

野村誠

貝、瓦、流木など環境で出会う音から音楽を立ち上げると同時に、そのような音の喜びを体験した耳で既存の楽器にも向き合う作曲家。言葉(だじゃれ音楽)、身体(相撲聞芸術)を通して、伝統文化を解釈し創作を深める。千住だじゃれ音楽祭、日本センチュリー交響楽団コミュニティ・プログラムなど様々な参加型プロジェクトを行い、交流を促進し個性を活かすことを広義の作曲と考える。土地や人に即した創作では即興性が重視されるが、その柔軟な体験を楽譜、テキスト、映像などで作品として残す方法も探求している。著書に『音楽の未来を作曲する』(晶文社)ほか。

〈感覚の点P〉展 撮影:前谷開

石橋鼓太郎

1993年生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻博士後期課程修了。博士(学術)。専門はアートマネジメント、音楽人類学、実験音楽研究。主な研究対象は非専門家が参加する実験音楽や即興音楽で、博士論文は「野村誠 千住だじゃれ音楽祭」をテーマに執筆した。異なる背景を持つ人々の関わり合いの中で音楽が立ち上がる過程に関心を持ち、研究・企画制作・中間支援・演奏など、さまざまな立場から現場に携わっている。現在、アーツカウンシル東京芸術文化調査員(プログラムオフィサー/音楽分野)、東京藝術大学非常勤講師。