東京藝大 x みずほFG「アートとジェンダー」共同研究プロジェクト
「アートとジェンダー研究会」
リサーチャープログラム

東京藝術大学(以下、藝大)とみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)は、2022年より「経済だけでなく、アートの力で文化や社会・人びとの生活も豊かで彩ある未来」をともに目指して、様々な連携を深めてきました。その連携をさらに強固にし、かつ持続したものにするため、2023年に包括連携協定を締結しました。
キュレーション教育研究センターでは、藝大×みずほFGの連携事業の一環として、「アートとジェンダー」をテーマにした様々なプロジェクトを展開しています。2024年度は、4名のリサーチャーがそれぞれ抱える「ジェンダー」への問題意識を自主企画として形にするためのサポートを行いました。研究報告書やトークイベント、さらには朗読会など、多様なアウトプット方法で実現に至りました。
難波祐子
2023年度に立ち上げた「アートとジェンダー研究会」では、「アートの現場における女性の社会進出」をテーマに全5回のレクチャーを実施すると同時に、藝大生・教職員有志とみずほFG社員によるリサーチチームを結成して、アートとジェンダーを取り巻くさまざまな課題について議論を深めてきました。その際の議論をきっかけに、多様な背景や課題を抱えているリサーチャーの皆さんの活動をより広い層に届けることを目的として、2024年度はリサーチャーの皆さんによる研究成果発表の場となるように4つの企画について、助成を行いました。イラン映画を通して知る女性像の歴史と変遷に関するトークイベント、演奏活動におけるジェンダー・ギャップに関する調査研究、国籍やジェンダーなど背景の異なる他者を受容するワークショップとオンラインプロジェクト、芸術系大学におけるギャラリーストーカー問題に関する調査研究、という多彩なテーマを扱う好企画が実施されました。それは東京藝術大学のみならず、現代社会が抱える課題をアートの力を通じてポジティブに可視化・昇華する、という本研究会が目指すべき姿をそのまま体現するようでもありました。今年度はみずほFGの皆さまには、リサーチャーたちの企画を暖かく見守ってくださるという役割に徹して頂きましたが、次年度は何らかの形で一緒に本研究会企画により深くコミットして頂けるようにして、「アートとジェンダー」に関する研究活動をより一層深めたいと考えています。