ARCHIVES
アーカイブ

「現場からのレポート:アジアにおける現代美術の現状」クリッティヤー・カーウィーウォン氏レクチャー

本講演では、ジム・トンプソン・アート・センター芸術監督(タイ・バンコク)兼キュレーターのクリッティヤー・カーウィーウォン氏をゲストに迎え、アジアにおける現代美術の変遷を紹介しました。

特に1990年代以降、アジアのアート界は、世界の注目の周縁から中心へと移行しました。その流れの中でも、ビエンナーレ、アートフェア、そして私立美術館の急速な台頭が、業界に活力をもたらすと同時に、脆弱性ももたらします。国家からの支援が弱まり、オルタナティブな空間が生き残りに苦戦する現場の渦中にいたカーウィーウォン氏の視点から、本レクチャーでは、観察と参加を基盤としたその変遷を辿り、変化する政治・環境条件の中で、アジア全域のアート・エコシステムがいかにして創造的かつ批評的な実践を維持し、主体性を取り戻し、未来に向けた新たな形の連帯を構想していくことができるのかを問いました。

開催概要

日時:2025年10⽉14⽇(火) 18:00〜20:30
会場:東京藝術大学美術学部 中央棟第一講義室
参加者数:約80名
ゲスト:クリッティヤー・カーウィーウォン(ジム・トンプソン・アート・センター芸術監督兼キュレーター)
言語:英語/日本語の通訳あり
通訳:水田拓郎

主催:東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻(GAP)
共催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科(GA)、キュレーション教育研究センター(CCS)

プロフィール

クリッティヤー・カーウィーウォン
タイ、バンコクにあるジム・トンプソン・アート・センターの芸術監督兼キュレーター。国際交流基金が2000年から2004年にかけて実施した「アンダー・コンストラクション」プログラムに参加。「The Open World」(タイ・ビエンナーレ、チェンライ、2023年)、「Imagined Borders」(第12回光州ビエンナーレ、2018年)、「Between Utopia and Dystopia」(メキシコシティ、2011年)、「Unreal Asia」(インターナショナル短編映画祭オーバーハウゼン、2009年)、「Under Construction」(東京、2000~2002年)など、アジア、ヨーロッパ、アメリカを含む各地で多数の展覧会を手掛ける。2018年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーター・リーダーシップ・センターの研究員に選ばれ、2020年からはシンガポール美術館の収蔵委員会のメンバーを務めている。最近では、「ドクメンタ16」 のアーティスティック・ディレクター選考委員会のメンバーとしても活動している。

「アンダー・コンストラクション」:中国、インド、インドネシア、日本、韓国、フィリピン、タイのアジア7カ国出身の20~30代の若いキュレーター9名が、現地美術調査と議論を重ね、展覧会を作り上げる、国際交流基金の協働プロジェクト。