藝大生向け・一般の方向け

芸術環境創造論2

開講日時
6/20(土),6/27(土), 7/4(土), 7/18(土), 7/25(土) 各日13:00-18:00

開講場所
一般の方 千住キャンパス 第7ホール OR オンデマンド
藝大生 千住キャンパス 第7ホール

アートは生活を変える?ープロジェクト型アートの最前線

2025年度の芸術環境創造論1では、アートのパラダイムシフトをテーマに、モノからコトへ変容するプロジェクト型アートの現在地を紹介しました。これらの「鑑賞する」だけでなく「参加できる」「共創する」作品は、実際に現代社会でどのように運営されているのでしょうか。今年の芸術環境創造論2は、まだ広く紹介されていない、現場の最前線の声を直接聞くことができるレクチャー&ディスカッション形式の授業です。これからの社会とアートとの結びつきに興味のある方、長期的に持続可能なアートプロジェクトのあり方を探求している方、地域社会で活動を始めたい方にとって、新しい学びとネットワーキングができる機会となります。芸術環境創造論1を受講していない人も、アートの現場未経験者も歓迎です。

なお、授業は講師の都合により内容の変更が生じたり、順序が入れ替わる可能性があります。

※本授業は、「芸術環境創造論1」と隔年で開講され、セットで受講することが推奨されていますが(必須ではありません)、順番が前後しても内容が追えるように設計されています。「芸術環境創造論1」は2027年に開講予定をしています。

一般の方(対面参加) | 受講方法

定員 | 30名(先着順)
受講生募集開始|4/1(水)正午〜4/30(木)18:00
受講方法 | 全15コマの対面授業を¥50,000(税込)で受講できます。

一般の方(レクチャーコマのみのオンデマンド視聴) | 受講方法

定員 | 70名(先着順)
受講生募集期間|4/1(水)正午〜4/30(木)18:00
受講方法 | 全10コマの講義コマの記録映像を¥50,000(税込)でオンデマンド受講できます(原則として対面授業実施日の翌週から8月末まで視聴可能、リアルタイム配信はありません)

藝大生の方 | 受講方法
授業シラバスを参照の上、Campus Planで履修登録してください。なお、卒業要件単位に含むかどうかは、ご自身の所属する各科のカリキュラムに準じます。

2026年度ラインナップ

第1回|「イントロダクション」
対面授業:6/20(土)13:00〜18:00
オンデマンド授業(*):6/25(木)以降順次公開
①熊倉純子(大学院国際芸術創造研究科教授)「現代のアートマネジメントに求められるもの」
②長津結一郎(大学院国際芸術創造研究科准教授<4月着任予定>)「アートマネジメントと社会包摂」
③ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第2回| 「アーティストと協働するウェルビーイング」
対面授業:6/27(土)13:00〜18:00
オンデマンド授業(*):7/2(木)以降順次公開
①武田奈都子(デイサービス楽らく)「アーティストが福祉施設に滞在する:クロスプレイ東松山の事例」
②酒井雅代(キュレーション教育研究センター・コーディネーター)「クラシック音楽と子どもの福祉:ワークショップデザインの観点から」
③ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第3回|「交わるアートと表現」
対面授業:7/4(土)13:00〜18:00
オンデマンド授業(*):7/9(木)以降順次公開
①アサダワタル(文化活動家)「ケアと表現が交わるところ」
②風間勇助(奈良県立大学)「刑務所アートの現在」
③ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第4回|「アートが変える地域のしくみ」
対面授業:7/18(土)13:00〜18:00
オンデマンド授業(*):7/23(木)以降順次公開
①坂倉杏介(東京都市大学都市生活学部)「創造性からみるコミュニティマネジメント」
②松崎宏史(株式会社Studio Kura 代表取締役/糸島芸農実行委員長)・松﨑早織(株式会社Studio Kura ディレクター/一般社団法人アーツいとしま 代表理事)「生活から立ち上がるアートの実践〜福岡県糸島市での実践から」
③ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

第5回|「共創と協働が作り出す新しい現場」
対面授業:7/25(土)13:00〜18:00
オンデマンド授業(*):7/30(木)以降順次公開
①石橋鼓太郎(東京藝術大学)「アートにおける「共創」を人類学的に考える」
② 青木彬(インディペンデント・キュレーター/社会福祉士)「社会福祉とアートの協働を目指すキュレーション実践」
③ディスカッション(対面参加の受講生のみ)

受講生のみなさんへ

キーワード:#アートマネジメント #ウェルビーイング #ケア #福祉 #社会包摂 #地域社会 #社会課題の解決 #アートと社会 #共創 #協働 #アートプロジェクト

担当教員((本学大学院国際芸術創造研究科准教授<4月着任予定>)・長津結一郎)より
昨年開講の芸術環境創造論1では、テーマを「アートのパラダイムシフト」として、アーティストを交えた豪華セッションでした。それにつづけて今年開講する芸術環境創造論2は、プロジェクト型アートが社会の中でどのように展開されているのか、その理論と実践を横断的に学ぶ機会をつくりました。ゲストとしてお越しいただくのは、いずれもアートにかかわる現場の最前線で活動する若手・中堅の方々です。レクチャーだけでなく、質疑応答やディスカッションもたっぷりご用意しています。

先輩修了生の声

(2025年度開講「芸術環境創造論1」受講生アンケートより抜粋)

  • アーティストやアートプロジェクトの最前線で活躍している方々の生の声が聞けた。そしてその講義を受けて、自分の意見を他者と共有できたことは大変記憶に残る経験となりました。(2025年度受講生、30代・会社員)
  • 「アート」という壮大なテーマについて、概念がひっくり返るような話をたくさん伺い、自分自身の中でも大いに迷走し、考えることができました。(2025年度受講生、50代・会社員)
  • 当初、授業についていけるか心配でしたが、プレゼンされる先生方にわかりやすく実践を交えた説明をしていただき、オンデマンドの視聴がいつも楽しみでした。企業に所属しているだけではわからないアートの現在地を確認できた気がします。(2025年度受講生、60代・会社員)
  • 今まではアーティストが作った特別なアートピースを鑑賞することが自分にとってのアートとの接点であり、どちらかと言えば自分はアートの縁にいる一鑑賞者と考えていました。が、今回学んだアートのあり方は、自分自身のものとして取り入れ、仕事や生活の場に応用できるのではないか、自分の内面にある思いにもっと素直に深く向き合って表現し、また今までとは違った形で人とのつながりを柔軟に持つことができるのではないか、またそのことによってもっと豊かに生きることができるのではないか、と感じました。(2025年度受講生、40代・自営業)
  • デジタル関連の仕事をしています。社内で知らない人へ理解をしてもらうという点、アートを体験したことのない方々との協業のアートプロジェクトに近いものを感じました。一気に進めるのではなく、じわじわと周りに味方を作っていこうと思います。(2025年度受講生、50代・会社員)

担当教員(登壇順)

熊倉 純子 (大学院国際芸術創造研究科 教授)

パリ第十大学卒、慶應義塾大学大学院修了(美学・美術史)。(社)企業メセナ協議会を経て、東京藝術大学教授。アートマネジメントの専門人材を育成し、「取手アートプロジェクト」(茨城県)、「アートアクセスあだち―音まち千住の縁」(東京都)など、地域型アートプロジェクトに学生たちと携わりながら、アートと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。東京都芸術文化評議会文化都市政策部会委員、文化庁文化審議会文化政策部会委員などを歴任。監修書に『アートプロジェクト─芸術と共創する社会』『アートプロジェクトのピアレビュー—対話と支え合いの評価手法』『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし—絵物語・声・評価でひもとく 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』、共編書に『社会とアートのえんむすび1996-2000──つなぎ手たちの実践』、共著に『「地元」の文化力―地域の未来のつくりかた』など。

長津結一郎(大学院国際芸術創造研究科准教授〈4月着任予定〉)

多様な関係性が生まれる芸術の場に伴走/伴奏する研究者。専門はアーツ・マネジメント、文化政策。障害のある人などの多様な背景を持つ人々の表現活動に着目した研究を行なっているほか、音楽実技やワークショップに関する教育、演劇・ダンス分野のマネジメントやプロデュースにもかかわる。アートミーツケア学会代表。博士(学術・東京藝術大学)。主な著書に『舞台の上の障害者:境界から生まれる表現』(九州大学出版会、2018年)、『アートマネジメントと社会包摂』(水曜社、2021年)など。

撮影:齋藤陽道

武田奈都子(デイサービス楽らく)

デイサービス楽らく施設長。社会福祉士。(医)保順会常務理事。玉川大学芸術学部、英国ラバンセンターにて舞踊を学ぶ。大学卒業後、パフォーマンスシアター水と油制作、フリーランスのアートマネージャー、フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局を経て、2012年(医)保順会の理事就任。‘22年よりデイサービス楽らく施設長に就任し、「クロスプレイ東松山」を通して、福祉とアートが交わる場の創出・実践に取り組んでいる。

酒井雅代(大学院国際芸術創造研究科助教〈4月着任予定〉)

音楽家、アーティスト・ファシリテーター、アートマネージャー。2018年に東京藝術大学公開講座「藝大ムジタンツクラブ」を始動して以来、クラシック音楽と身体表現を融合させた独自のアートプログラムを提案・実践している。現在は、子ども、地域、社会包摂をキーワードに、多領域が交差するプロジェクトの企画・運営・実践に幅広く携わる。桐朋学園大学および同研究科修了(ピアノ専攻)。東京大学大学院学際情報学府修士課程、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科博士後期課程を修了。博士(学術)。現在、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教。

坂倉杏介(東京都市大学都市生活学部)

さかくら・きょうすけ
東京都市大学都市生活学部教授。
専門はコミュニティマネジメント。一般社団法人三田の家代表理事、エイブルアートジャパン理事ほか。多様な主体の相互作用によってつながりと活動が生まれる「共創プラットフォーム」という視点から、ウェルビーイングとイノベーションを生み出すコミュニティ形成手法を各地で実践的に研究している。まちのウェルビーイングな時間を生み出す「おやまちリビングラボ」プロジェクトを大学の地元・世田谷区尾山台にて進行中。

松﨑宏史・松﨑早織(糸島芸農実行委員会)

松崎宏史(株式会社Studio Kura 代表取締役/糸島芸農実行委員長)
1979年福岡県生まれ。広島市立大学芸術学部卒業後、ドイツ・ハノーバー専科大学で学ぶ。2009年、福岡県糸島市に「株式会社Studio Kura」を設立。アーティスト・イン・レジデンスを核に、美術教育や地域プロジェクト、国際芸術祭「糸島芸農」の開催など幅広く展開。2024年に福岡県文化賞(社会部門)を受賞。現在はアートと農業を結びつけた活動を通じ、新たなアートビレッジ構想に取り組んでいる。

松﨑早織(株式会社Studio Kura ディレクター/一般社団法人アーツいとしま 代表理事)

地域をフィールドに、場をひらき、そこで立ち上がるプロセスそのものを実践として引き受けるアート活動を行う。糸島を拠点に、Studio Kuraや国際芸術祭「糸島芸農」などの現場に関わりながら、場づくりや社会教育の領域で活動。2024年、一般社団法人アーツいとしまを設立。プレーパークや学校への芸術家派遣などを通じ、地域の中で継続的な実践を行っている。

アサダワタル(文化活動家)

アーティスト、文筆家、近畿大学文芸学部准教授。音楽や言葉を手だてに、「他者との不思議なつながりかた」を発明。プロジェクト、著作、音源として発表している。近年はケア現場との協働が多い。博士(学術、滋賀県立大学)。著作に『当事場をつくる』(晶文社)、『住み開き増補版』(筑摩書房)、『想起の音楽』(水曜社)、音源に『福島ソングスケイプ』など。2026年より東京芸術劇場とのプロジェクト「東京カスタムドラムセット」が本格始動。

画:花堂達之助

風間勇助(奈良県立大学地域創造学部)

1991年静岡生まれ。奈良県立大学地域創造学部講師。東京藝術大学にてアートプロジェクトを実践しながらアートマネジメントを学ぶ。東京大学大学院文化資源学研究専攻に進学し刑務所と芸術についての研究をはじめる。全国の刑務所から作品を公募した「刑務所アート展」を中心に、刑事司法分野におけるアートの役割とは何かについて実践的に研究を行う。一般社団法人Prison Arts Connections 共同代表理事。NPO法人CrimeInfo副代表。

石橋鼓太郎(東京藝術大学)

1993年生まれ。博士(学術)。専門はアートマネジメント、音楽研究、文化人類学。非専門家が参加する実験的・即興的な音楽を主な対象として、異なる背景を持つ人々の関わり合いの中で音楽が立ち上がる過程に関心を持ち、研究・企画制作・中間支援・演奏・ファシリテーションなど、さまざまな立場で実践に携わっている。現在、東京藝術大学等非常勤講師、アーツカウンシル東京芸術文化調査員(プログラムオフィサー)。

青木彬(インディペンデント・キュレーター/社会福祉士)

1989年生まれ。東京、京都を拠点に活動。首都大学東京インダストリアルアートコース卒業。アートを「よりよく生きるための術」と捉え、アーティストや企業、自治体と協働して様々なアートプロジェクトを企画している。主な活動に「SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024」ゲストキュレーター(横須賀市,2024)、戸田建設株式会社が行なうラーニングプログラム「APK STUDIES」ファシリテーター(TODA BUILDING,2025~)、まちを学びの場に見立てる「ファンタジア!ファンタジア!─生き方がかたちになったまち─」ディレクター(墨田区,2018~)などがある。『幻肢痛日記』(河出書房新社)著。